国際勝共連合 機関紙 思想新聞は創刊56年 通巻1898号 (令和8年5月1日)

新千年紀におけるメディア アレクサンダー・ヘイグ 元米国務長官

思想新聞2月1日号 第18回世界言論人会議 詳報 講演要旨

私は、政府の行動や法人組織の運営がしばしば評価され審査されるのと同じように、メディアもまた時宜を得た自己反省を課さなければならないと信じるものです。即時的でリアルタイムな通信が、人々の生活ならびにニュースの伝達・製作に劇的なインパクトを与えている現代という時代においては、特に言えることです。ですから、私は世界言論人協会が新千年紀の初めにこの会議を開催したことを称賛します。この会議で発表されることは、新しく変わりつつある現代メディアの世界に多くの重要な貢献をするものと確信します。
 新千年紀におけるメディアの変化する役割について考えるとき、われわれは劇的に変化する世界に住んでいることを理解しなければなりません。前例のない構造的、制度的、そして思想的変化によって特徴付けられる、共同体社会に向かっているのです。この新たな環境は、産業革命以来のいかなる時代よりも急速に変化しています。このダイナミックなグローバルシステムが、個々の国家の大きさや豊かさにかかわらず、新しいレベルの協力を要求しているのです。誰かの表現を借りれば、透明な地球村が実際に到来したのです。
 自己の国益が優先するにもかかわらず、いわゆる主要国は自らの意思決定にあたって、より力のない国々の利益と関心をますます考慮しなければならなくなってきています。同様に重要なのは、メディアもこの透明な世界における自己の義務を理解しなければならないということです。ただ単にニュースを最初に報道するだけでは、もはや十分ではありません。メディアはかつてないほどにバランスが取れていなければならず、とりわけ正確さと明瞭さにおいて、プロとしての責任を保たなければなりません。
 米国のソマリア介入のことを思い出してください。当時、空腹でお腹が膨らんだかわいそうな子供たちを背景として、世論は軍事的介入を支持する方向に駆り立てられたのです。そして介入の少し後に、米国の悲劇的な人的被害の余波の中で、同じメディアによる歪曲が、突然米軍を撤退させる方向に世論を導くことに寄与したのです。しかしながら、彼らが最初に介入して是正しようとした問題は、何も解決しませんでした!
 考慮すべきもう一つの問題が、最近ワシントン・ポストのオンブズマンであるマイケル・ゲトラーによって同紙に載りました。彼は印刷媒体の発行者が、テレビからインターネットに至るさまざまなサイバーテクノロジーに注意を集中させていることに対して警告を発したのです。
 彼は、ポスト紙の多くのリポーターは、彼らの一日の大半を電子ニュースの更新のために費やしており、多くの編集者は新聞が印刷された後のウェブサイトのストーリー更新に、次第に多くの時間を費やすようになっていると述べています。
 二世紀前に英国の政治哲学者エドマンド・バークは、「成功する政治指導者は、生涯の経験と人類共通の価値観を受け入れることによって、磨かれた良心の命令と自己の基礎となる道義を追い求めるべきだ」と提案しました。私は彼らが健全な政策を追求しながら世論を形成するように、メディアや公務員も同様に、人気や利益の探求によってではなく、道義と価値観によって導かれるべきではないかと思います。

●アレクサンダー・ヘイグ  レーガン大統領時代の国務長官で、70年代には北太平洋条約機構(NATO)の総司令官も歴任し、現在はAOLの役員などを務め、メディアにも深くかかわっている

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