国際勝共連合 機関紙 思想新聞は創刊56年 通巻1898号 (令和8年5月1日)

21世紀を「家庭平和」の世紀にダン・クエール 元米国副大統領

思想新聞2月1日号 第18回世界言論人会議 詳報 講演要旨

 ジョージ・オーウェルが十九世紀に書いた『1984年』という有名な未来小説がある。そこでは、新しい技術が独裁者によって悪用され、国民大衆が支配されている。彼はその本によって大きな政府(ビッグ・ブラザー)の危険性を明確にした。今や政府は強力な権力を持つようになり、彼の警告は一部正しかったといえる。
 しかし、オーウェルが予期できなかったのは、技術の普及によって人々が即時的に情報を入手できるようになったことだ。インターネットの時代はすべての人が情報を入手することができる。すべての家庭に情報機器が設置されるような時代になり、メディアのグローバリゼーションは国民の解放につながった。冷戦時代の東側諸国において、自由化を求めた国民が最初に攻撃したのは公営のテレビ局だった。真実が伝えられていないことが分かったからだ。そしてメディアの解放が国民の解放につながった。
 もっとも、政府がそれを管理しコントロールすることは必要で、例えば社会保障の番号は政府が管理している。それは政府に便宜を与えるだけでなく、国民にも利益を与えている。
 事実と報道が異なる場合があるが、メディアは質の向上のために、まず真実を追求することに努めなければならない。究極的には競争によってメディアは真実を伝えるようになるであろう。例えば米国ではフォックス・ニュースがCNNやABC、NBC、CBSに対抗して正しい報道をしている。ワシントン・タイムズはニューヨーク・タイムズに挑戦し、2、3年前から特ダネを連発している。いまや米国の主要紙になり、私は毎日読んでいる。
 日本のNTTドコモやソフトバンクなど、世界でインターネットを利用した未来型産業が次々に興っている。メディアは構造的に変化しつつあるが、マイナスの問題もある。メディアでは自由が尊重されてきたが、これからは責任が問われる。また、家庭や宗教の重要性を見直す必要がある。
 これまで、メディアは宗教に対して反感を持つか無関心だった。国家宗教には批判される面もあるが、個人の信仰や宗教的確信は尊重しなければならない。世界には多くの宗教組織があり、エイズや貧困に苦しむ人々を助け、地震などの被災者の救援活動をしている団体もある。それらを批判し恐れるべきでない。宗教はプラスに評価されるべきものなのに、そうしたメディアや映画は少ない。価値観や家庭の重要性について、メディアに対して私たちはもっと主張しなければならない。
 世界平和のためには民主主義の増進が必要だ。第二次世界大戦の暗黒の時代は、民主国家は十二カ国しかなかったが、今では120カ国に増えている。私たちが関心を持ち続けるなら、21世紀は20世紀の繰り返しにはならない。家庭崩壊の世紀ではなく、家庭平和の世紀になることを希望する。それが私たちの目標であり、私たちが協力し合うことによって人々の才能が発揮され、達成されるであろう。

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