国際勝共連合 機関紙 思想新聞は創刊56年 最新の主張はこちらから

集団的自衛権の議論を急げ

この記事は2014年1月30日に投稿されました。

安倍首相は24日、施政方針演説で集団的自衛権に言及した。首相は当初、昨年中に解釈見直しに踏み切る意向だったが、経済優先の方針に加え、連立与党の公明党が反対したため先送りにされていた。
 首相は演説で、「責任野党とは柔軟かつ真摯に政策協議を行っていく」とも話した。行使容認の議論に前向きな、日本維新の会やみんなの党との連携を意味しているのは明らかだ。公明党をけん制するとともに、野党を分断して政権運営を円滑にする効果もある。
 首相はその日の夜、電話でみんなの党の渡辺喜美代表に「政策協議をやっていきましょう」と伝え、渡辺氏は「演説で触れてもらってありがとうございました」と答えたという。渡辺氏には、党の分裂で低下した求心力を回復したい思いがあり、首相もそれをよく知っているのだ。また、維新の会の松野頼久国会議員団幹事長は28日の代表質問で、首相に集団的自衛権をめぐる協議を要請した。記者会見で「正しいことは賛成も提案もしていく。集団的自衛権は胸襟を開いて話し合える」(25日)と話した通りだった。

中国の海洋侵出に注意せよ

集団的自衛権の行使容認は、今国会で道筋をつけるべきだ。東アジアにおける不安定要素が急激に増しているからだ。北朝鮮では核開発に反対してきた張成沢氏が処刑され、今後は一層の強硬路線に突き進む可能性もある。中国は海洋覇権の進出の動きをさらに強めている。
 中国は昨年11月に、尖閣諸島上空を含む防空識別圏を発表した。これだけでも大変な暴挙だが、1月1日には南シナ海で他国の漁業活動を規制する法律を施行した。操業や資源調査には中国国務院の許可が必要になるという。米国は「挑発的で潜在的に危険な行動」と非難したが、聞き入れる素振りは全くない。それどころか1月18日には、中国遼寧省トップの王珉・党書記が国産空母を建造中であること、将来的には空母4隻体制となることを公言した。完成すれば南シナ海で運用される見込みで、同地域に軍事的プレゼンスを保つ米国と全面対決するつもりだ。
 情報戦でも攻勢を強めている。中国の国連大使である劉結一氏は安全保障理事会で、「安倍総理の靖国参拝は、反ファシズム戦争の勝利と国連憲章に基づく戦後の国際秩序への挑戦だ」と非難した。日本を国際社会で孤立させ、日米同盟を弱体化させる狙いだ。
 中国の膨張主義を許してはならない。そのためにはまず集団的自衛権の行使容認だ。現状では、日本の領海を一歩出れば、米艦船が攻撃された際に自衛隊は手を出すことができない。公海上でも米艦船を守ることができるようになれば、防衛力は格段に上がり、抑止力の向上につながる。
 力の空白があれば必ず侵出するのが中国だ。公明党や民主党は行使容認に反対だというが、それなら中国の横暴をどうやって止めるというのか。具体的な代案を示してほしい。

戦略のないオバマ政権

それにしても気になるのはオバマ政権の戦略のなさだ。オバマ大統領は29日、議会で一般教書演説を行った。日本で言えば首相の施政方針演説に相当し、大統領の発言の中で最も重要視されるものだ。オバマ氏はこの演説のほとんどを内政の課題にあて、格差是正をアピールした。11月の中間選挙をにらんでいることは明白だ。
 その一方で、アジアについては「引き続きアジア太平洋に焦点を合わせ、同盟国を支える」などと述べるにとどまった。中国の軍事的拡張には一切触れず、北朝鮮にも言及しなかった。中国への配慮もあるのだろうが、アジアに対する戦略がない、関心そのものがないと受け取られても仕方のない内容だった。
 オバマ政権の「内向き」志向が強まっている。日本は米国との関係強化を図り、そのうえで地域の安定の重要性と米国の役割を訴える必要がある。その第一歩が集団的自衛権だ。

2014年1月30日

コメント

タイトルとURLをコピーしました