国際勝共連合 機関紙 思想新聞は創刊56年 通巻1898号 (令和8年5月1日)

アリバイ的TV批評番組が多い中、卓越した見識示したクラーク発言

思想新聞2002年4月15日【マスコミ論壇ウオッチング】

 オウム真理教関連事件の中で、坂本堤弁護士の発言を記録したテープをTBSが放送前に安易に教団側に見せてしまったことが同弁護士一家の殺害につながったのでは、との批判が高まった結果、当事者のTBSが検証番組を放送したことはもちろん、他局もそれぞれ自局番組の批評番組を放送するようになった。
 例えばフジテレビは、土曜日に『週刊フジテレビ批評』、日本テレビは日曜日に『あなたと日テレ』という自局番組批判番組を、またテレビ朝日も月1回程度、同様の番組を放送している。ところが、それぞれの番組の放送時間が土日の早朝という時間帯でもあり、批判をかわすため“アリバイ”的な意味合いが強いのでは、と勘ぐりたくなる。視聴者からの質問に答えるだけでなく、それなりの批評眼をもった識者を登場させ、時に厳しいテレビ番組、テレビ文化批判を語らせる『週刊フジテレビ批評』などには見るべきものがある。
 4月6日土曜日の同番組には、多摩大学のグレゴリー・クラーク名誉学長が出演し、現代日本社会におけるテレビの役割、ことに教育に果たすテレビの役割について注目すべき発言を行った。
 クラーク氏は、日本のテレビ番組は以前に比べて暴力や過剰な性的描写は減り、欧米各国に比べて内容はそれほどひどくないと指摘しながら、「地域社会や社会の他の構成メンバーとの交わりが少なくない日本の子どもたちに及ぼすテレビの影響力を考えると、問題がある」と述べていた。
 特に、最近のテレビのバラエティー化、特に「面白おかしければいい」という内容の番組が増えることで、社会をテレビという「窓」から見つめ、理解している子どもたちに、「社会とはこういうものだ」という間違ったイメージを植え付けることになりはしないか、というのがクラーク氏の懸念である。
 個別の番組が有害か否か、ということと共に、テレビのもつより大きな影響力そのものが問われているわけだが、事態は更に悪化しているようでならない。

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