国際勝共連合 機関紙 思想新聞は創刊56年 通巻1896号 (令和8年4月1日)

産経・夕刊廃止で波紋呼ぶ新聞界

思想新聞2002年2月1日【マスコミ論壇ウオッチング】

 30年近く前、マルクス・レーニン主義に代表される左翼的革命思想が大きな影響を及ぼしていた日本の思想界、論壇に一石を投じたのが「サンケイ新聞」、現在の「産経新聞」であった。

 当時のわが国の思想状況では「異論」であり、少数派に属する保守・中道派の論客を結集し、あえて「正論」と題するコーナーに掲載する決断を下したのは、故鹿内信隆社長だが、その後も同紙はカラー化を他紙に先駆けて推し進めるなど、新聞業界でユニークな位置を占めてきた。

 その「産経」が、首都圏で夕刊を廃止し、朝刊専門紙として業態を変えることを発表して、また大きな話題を呼んでいる。

 首都圏での夕刊の販売不振が今回の決定に至る理由といわれているが、ここ数年、夕刊で私立大学と組んだパブリシティー広告を精力的に企画してきていただけに、その営業努力も空しく夕刊廃止という衝撃的な決定に至ったということのようだ。これからは、朝刊一紙で全てをカバーする新しいスタイルの紙面の確立が急務となろう。

 ところで「夕刊」といえば、各紙共、文化・芸能面や思想・オピニオン面を強化して特徴を出そうとしており、無視できない内容が掲載されることが少なくない。

 1月18日付の「読売新聞」の夕刊に、気鋭の論客である橋爪大三郎・東京工業大学教授による「テロ相対主義の愚」と題する小論文が掲載されている。

 この論文はアメリカ人が、「今回これほど団結を固めているのか、アフガン戦争をどういう論理で正当化しているのか」という日本人が抱いている疑問について明確に答えた内容になっている。

 橋爪教授の専門は社会学だが、これまでも社会的な事象について鋭い観点からの発言を繰り返してきているが、橋爪氏のような論客の見解の貴重な発表の場が、「産経」のみならず他紙の夕刊が廃止されるといったかたちで失われることだけは避けてほしいものだ。

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