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「21世紀に向かう我々の使命」

思想新聞 1999年3月25日号

「この国の使命」を熱っぽく語る大塚会長

大塚克己会長 就任特別講演
【要旨・文責編集部】

 

講演に聴き入る参加者たち

日本人の心に宗教心を呼び戻そう

 21世紀を迎えようとするこの時を考えると、何か「漠然とした不安感」が国民の間に広がっているといったような状況を多く見つけることができる。昨年の毒物混入事件などは、その最たるものであろう。
 戦後社会は、経済的に豊かになれば幸せが実現できると思ってきたものの、実際はそうならなかった。その現実に直面したとき、未来に向かってどのような人生設計図を描いていいのか、どのような家庭像を描いていいのか、さらにどのような国家像を描いていいのかわからなくなってしまっているといえよう。
 このような、未来が見えない混沌とした時代に「偽物」が「真実なるもの」の顔をして現れ、着々と基盤を築き上げていることを忘れてならない。
 昨年夏の参議院選挙では、日本共産党が820万という膨大な票を獲得した。共産党が主張するスローガンや政策は、まさに真実なる体裁を装いながら国民の不安や不満感に働きかけ勢力を拡大している。
 共産党、そして共産主義を信奉する者を侮ることはできない。彼らはたとえ少数でも、人々の、このなんともいえない不安感や怨みの心情に巧みに取り入り、勢力を拡大するからである。
 社会秩序を混乱に貶めようとしている例として、山本直英ら性教育推進派がつくりあげた、学校における性教育の副読本を見て、私は驚愕を覚えた。それは人間を完全に「一個の動物」として見る、つまり猿や犬などと同等に扱うという共産主義の思想・理論そのままの土台の上に、彼らの性教育が成り立っているからである。
 したがって、国際勝共連合は最後の一人になっても、「共産主義は間違っている」というその実態を暴露しながら、これを国民に広く喚起し、共産主義がこの地上から根絶するまで、その旗をおろすことはない。
 19世紀に発展した物本主義、過度な人間中心主義が暴走し、その結果多くの悲劇を経験したのが20世紀であった。それらの物本主義、過度な人間中心主義理念こそが、共産主義思想と運動の生まれ育った土壌であった。そこで、これらの物本主義や過度な人間中心主義の限界を超えて、来るべき21世紀に生きるためには、宗教精神に基づく新しい理念が必要となるのである。
 その宗教性とは、必ず自己犠牲と奉仕の心を教えるものでなければならない。その自己犠牲と奉仕の精神こそが、日本が21世紀に生き残るために、アジア諸国はもとより、世界の国々と共に共存し、ひいては指導的国家として立っていける道であろう。
 私たちが生来的に持っている、「生かされている」ことへの感謝の心、超自然的なものに対する畏敬の念など高い宗教性を取り戻さない限り、今の私たちの心に潜む不安を取り払うことはできない。
 私たちは故久保木先生の救国救世の志を受け継ぎながら、国際勝共連合としては新たに共産主義運動を根絶する戦いを別のかたちで始めなければならない。そして世界平和連合においては、21世紀の世界に向かって「為に生きる日本」としてこの国が生まれ変わるために、新しい運動を全国的に展開して行かなければならないと考える。私たちの心の奥深くにある宗教性をもう一度呼び起こして、新しい時代に向かって行こうではありませんか。

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