思想新聞2001年9月1日号【日韓安保セミナー(FWP大阪)】
大阪府連合会家族連れで日韓友好深める

世界平和連合(FWP)大阪府連合会主催で、8月10日~12日の3日間にわたり、国際安全保障セミナーが開催された。このセミナーは、年に一回ないし二回の割合で定期的に開催されている。教科書問題等、何かと日韓関係が微妙な関係になりやすいだけに、このような民間レベルの国際セミナーの意義もますます大きい。
約20人が参加
今回の参加者は約20名で、中には家族づれの参加もあった。一日目、仁川新国際空港到着後、ソウル市内で夕食。その後、南山公園内に高くそびえるソウルタワーに上り、美しいソウルの夜景を楽しむ。360度、闇夜にまたたく光のページェントに、ひととき時の経つのを忘れる。
二日目は、目の前をイムジン川が流れ、遠く北朝鮮への望郷の思いと南北統一への祈りを寄せる地、臨津閣と、南北首脳会談の話し合いによって合意を得た京義線の復旧工事現場、そして今も緊張感漂う板門店を見学。夜は再びソウルに戻り板門店一帯とは対照的なにぎやかさの東大門、南大門両市場にてショッピングを楽しんだ。
京義線復旧への思い
長い南北分断の歴史に大きな光明の灯をともした、昨年の電撃的な南北首脳会談。その後、金正日総書記の訪韓が期待されつつも思うように実現の日を見ないままにいたが、金総書記は訪中そしてそれに続く今回の訪露と活発な外交を展開している。そのような中、イムジン川に今も残る鉄橋を利用しての京義線の復旧工事現場は、韓国側の民族統一への熱い執念を感じさせるものであった。臨津閣の広場には、ソウルから平壌へむけての京義線の復旧ルートを、見取り図で描いた大きな看板がたてられていた。いつの日かこの京義線を通じて平壌に行ける日がくるのだ、との思いに胸が膨らむ。バスガイドの計らいで、レールの新設がなった所でバスを止めてくれ、真新しい枕木とレール、そして真新しい信号機を背景に参加者達は一斉に記念写真を撮った。
そして車は、1988年韓国の財閥、鄭周永・現代グループ名誉会長によって、北朝鮮に向け500頭の牛が送られるために新設されたといわれる大きな橋を通って、一路板門店へと向かった。
緊張に満ちたJSA
日本で大ヒットした韓国映画「シュリ」に続く映画「JSA」が話題となったが、その映画の題名のJSAは、「共同警備区域」を意味する。韓国側と北朝鮮側の兵士が、共同で警備を行う直径八百神の円形区域だ。
映画の中では、南北両国の兵士が交流するなかでいつしか友情のような情が、双方に芽生えていく姿が描かれていたが、現実のJSAは、いつもながらの緊張感に満ちた場所であった。夏休みということもあり、多くの日本人観光客、そして韓国人の見学者の姿も見られた。
38度線を挟んで南側に位置する韓国側の建物は、近代的で豪華な四階建てに変わっているが、北朝鮮側の建物は昔ながらの建物のままで、北朝鮮兵士も一人のみしか姿は見えなかったのが、印象的だった。
かつて、米兵二人が殺害された「ポプラ木事件」の跡も、今はコンクリートで記念碑として変わっていた。そして今も残る「帰らざる橋」を遠くに見ながら、車は板門店を後にしてソウルへと向かった。
セミナーの意義実感
最後の三日目は、ソウル市内にある昌徳宮・秘苑を見学。熱心に語るガイドの後を足早で回り、約一時間半のコースで見応えのあるものだった。
年々、韓国への日本人観光客も増加の一途をたどっているようだが、今も南北分断の生々しい現実を物語る板門店を視察する「国際安全保障セミナー」の大きな意義を、改めて実感した。
参加者らは、「板門店に象徴される南北の緊張を思うと、平和ボケした日本にいることが申し訳ない」「一日も早い南北統一の実現へ向けFWPとして支援活動をしていきたい」などと、感想を語り合っていた。
(大塚正尚・FWP総務局長)


コメント