▼国内情勢
● 小泉政権登場で国際貢献に前進
日本は真に世界貢献国家になり得るか、大きな岐路に立たされている。
かつての湾岸戦争時には平和の構築に対して金だけを出して人を出さずに世界的な批判をこうむったが、そうした消極的姿勢を続けるかぎり、日本は世界から信用されず孤立化は避けがたくなる。資源なき加工貿易立国である日本が世界から孤立すれば、もはや生存はおぼつかなくなる。その意味で日本は建国以来の最大の転換期に立たされていると言っても過言ではない。
そうした時に小泉首相が昨春、登場したことは国際貢献に前進させる契機となった。小泉首相は岸信介元首相以来の改憲指向を明確にし、しかも日米同盟を強固にすることに意欲的である。6月の日米首脳会談でブッシュ大統領は米英同盟主軸の大西洋国家から日米同盟主軸の大平洋国家への転換を示唆し、小泉首相も米国との関係強化を約束した。テロ事件後は米国支援を鮮明にし、テロ特措法などを作って反テロ国際戦線に加わった。
テロ関連法の一つとして自衛隊法を改正されたが、その中でかねてから本連合が主張していたスパイ防止法が部分的とはいえ盛り込まれた意義は小さくない。むろん、米軍支援だけのテロ特措法だけでは国内のテロ対策は不十分きわまりない。憲法を改正し集団的自衛権行使を条文に明記するなど、新たな憲法のもとで確固たる安保体制を確立すべきである。同時に有事法整備、本格的なスパイ防止法制定をはじめとする危機管理体制の構築を図らねばならない。
さて、2001年の政治決戦とされた第19回参議院選挙(7月)では、「聖域なき構造改革」を掲げた小泉首相に国民は信を与えた。自民党が圧勝、改選議席の単独過半数を獲得したことは、小泉改革への国民の期待がいかに大きいかを示した。小泉政権誕生後、支持率は7割以上を維持し続けている。
その「聖域なき構造改革」は徐々にではあるが前進を見ているといえよう。小泉首相は12月、163の特殊・認可法人のうち17を廃止、45を民営化する整理合理化計画を決めた。廃止・民営化が全体の三分の一にとどまり、取り組む時期も先送りされたものの、焦点となっている道路公団については首相直属の第三者機関で民営化の形態と議論すると決めたように、あくまでも小泉首相がリーダーシップを発揮している。
● 未曾有の犯罪増検挙率は低落
だが、日本経済の出口が見えず、国内治安も悪化の一途を辿っている。 法務省が11月に発表した「犯罪白書」によると、2000年1年間の犯罪件数(刑法犯の認知件数)は約3百25万6千件(前年比12%増)で、戦後最高の犯罪件数となった。犯罪件数は20年前から増加の一途をたどり、とりわけ過去10年間で急激に上昇している。これに対して刑法犯の検挙率は前年に比べて10%以上も落ち、ついに戦後最低の23・6%に急落。2001年に入ってからの検挙率はさらに落ちている。
こうした治安悪化は、「社会の鏡」である青少年犯罪の急増に顕著になっている。昨年1月から11月に逮捕や送検された刑法犯少年(14歳以上)は12万6千余人で3年ぶりに前年同期より増え、殺人・殺人未遂で補導された触法少年(14歳未満)も10人にのぼっている(過去40年で最高、これまでの10年は0~2人で推移)。その結果、全刑法犯の42%を少年が占めるに至っているのである。
こうした犯罪の急増は社会の倫理・道徳規範が崩壊してきたことを意味している。倫理・道徳規範は家庭で培われることを考えると、これは家庭崩壊現象の何ものでもない。大阪府下で起こった8人の幼い命を奪う小学校襲撃事件の実行犯が家庭崩壊の末に兇悪犯行に及んだように、家庭崩壊は社会にさまざまな被害をもたらしている。家庭をどう再建するかが21世紀の日本の最大の課題であることはもはや明白である。
遠山敦子文部科学相は11月、中央教育審議会に対して教育基本法改正と教育振興基本計画の策定について諮問を行ったが、教育基本法改正で最も重要なことは教育を通じて道徳・倫理基盤の確立を図る国の基本理念を示すことである。なぜなら現行の基本法の最大の欠陥は、人権ばかりを重んじ、家庭、国家、民族、歴史、伝統、文化を抹殺するかのごとく、宗教・道徳教育を否定してきたところにあるからだ。
戦後日本は、教育基本法9条と憲法20条を根拠に宗教教育を教育現場から一掃し、その結果、道徳教育が形骸化した。日教組および共産党系全教の共産主義教員らは、基本法を後ろ盾に子供たちに唯物論教育を施してきたのである。このような歪な基本法を土台とした戦後教育は、子供たちに生きる目標と日本人としての自覚を喪失させ、少年凶悪事件の多発やいじめ、不登校などさまざまな問題を生みだしてきたと言える。
したがって教育基本法の改正は家庭を基盤に伝統文化の良さを見直し、宗教情操教育をしっかり行い得る理念として提示するところに意義がある。さらには教育基本法改正を基盤に憲法改正への道筋を取り付けて、家庭および宗教道徳の価値を国の柱に据えるべきである。我々はこうした日本再生への取り組みに全力をあげねばならない。
また一昨年12月の教育改革国民会議の最終報告は「有害情報等から子供を守る」ために国がしかるべき法整備を推進することを提言している。教育基本法改正とともに、青少年健全育成を可能にする法整備もまた不可欠となっている。
こうした日本の改革・再生を阻止しようとする共産勢力が今なお各界各層に浸透していることを看過すべきではない。教育の現場には日教組のほか、過激な性教育グループが徘徊し、マスコミ界には青少年の倫理を破壊する有害情報を垂れ流す輩が存在する。何よりも共産主義を信奉し従来の革命路線を堅持する日本共産党が国会、地方議会、自治体首長に少なからず勢力をはっている。
我々は国内外の共産勢力の浸透・拡大を阻止・根絶することを目指し、さらには真の道議国家・日本を確立するために平成14年度運動方針を別掲表のように決めた。


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