国際勝共連合 機関紙 思想新聞は創刊56年 通巻1896号 (令和8年4月1日)

世界平和へ 正念場の年にイラク・北朝鮮が焦点

思想新聞2003年1月15日【1面TOP】

●国際

 2003年は世界の分岐点となる年と位置づけられている。01年の9・11事件がもたらした新たな展開が一定の結論が出される年になると予想されているからである。その焦点の一つはイラクであり、もう一つは北朝鮮である。
 イラクは秒読みに入ってきた。1月27日が国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)が国連安保理に査察結果を報告する締め切り日であり、この報告内容いかんで米軍のイラク攻撃が始まる可能性が出てくるからだ。イラク問題は米国がテロ組織や大量破壊兵器開発を企てる「悪の枢軸」の脅威に対抗して核使用も含めた先制攻撃も辞さない方針を明示した「ブッシュ・ドクトリン」の試金石になっており、世界の耳目が集まる。
 その中東で1月28日にイスラエル総選挙が行われる。パレスチナ和平が暗礁に乗り上げ、テロとその報復攻撃という悪循環に終止符を打てるのか、それともさらなる紛争激化の幕開けとなるか、イラク同様にイスラエル情勢の行方は中東全体に波及するだけに注目しておかねばならない。
 同時に昨年、インドネシアやケニアにまで拡散した国際テロ組織のテロが、どこまで広がっていくかも警戒される。アルカイダの組織は温存されており、テロの拡散が国際情勢に与える悪影響が危惧されるところだ。
 もう一つの焦点となる韓半島では2月25日に盧武鉉氏が金大中大統領の跡を継いで大統領に就任する。盧大統領の登場によって韓半島情勢がどう変化するのかが焦点となる。米国の対北朝鮮政策ときしみが見られ、それを「瀬戸際外交」を続ける北朝鮮は突こうとしているとされる。
 北朝鮮は1月10日、ついに核拡散防止条約(NPT)を脱退し、国際原子力機関(IAEA)との保障措置協定の拘束から完全に脱することを宣言する声明を発表した。さらなる「瀬戸際外交」を進めてくるのは間違いない。北朝鮮は米国から体制保障を取り付けるべく、不可侵条約締結を狙っている。
 北朝鮮に大きな影響力をもつ中国では3月の全人代(国会)で胡錦涛党総書記が国家主席、温家宝副首相が首相に就任する予定だ。江沢民氏は軍事委主席に座り続け院政を敷くことになる。全人代では軍事費の伸びがどの程度になるかが注目点となる。
 一方、国連は今年を「国際淡水年」としており、3月16日から京都などで「第3回世界水フォーラム」を開催する。水の獲得が世界の紛争の隠れた原因と指摘されており、環境問題や食糧問題とも絡んで水問題が大きな焦点になっている。またエイズ感染者が 4千万人を超え、とりわけアジアでの拡大が懸念されており、11月27日に神戸で開催されるアジア太平洋地域エイズ国際会議ではその防止策が問われる。
 世界経済では中国がWTO(世界貿易機関)に加盟しグローバル経済に組み込まれたように、グローバル化は今年も一層進展していくだろう。それだけに各国・各地域の利害調整が課題となる。6月1日にフランスのエビアンで開催される主要国首脳会談、そして9月下旬の国連総会、さらに10月上旬のインドネシア・バリ島でのASEAN・日中韓首脳会談などがその役割を果たすよう期待されよう。イラクと北朝鮮を軸に目の離せない一年となるだろう。 

●国内

 今年の日本は「戦後体制」の総決算を迫られる年になる。外交ではイラク問題にどう対応するか、日朝交渉をどう進めるか、まさに世界の懸案問題と向き合っていくことになり、一国主義は通用しなくなる。
 小泉首相は1月9日、日露首脳会談で訪露し、小泉外交をスタートさせた。焦点は言うまでもなく北東アジア情勢すなわち北朝鮮の核開発、拉致日本人問題である。小泉首相は盧大統領就任直後にも韓国を訪問し、日韓米協調路線を模索する。韓半島は日本外交にとって正念場となる。
 国内情勢は選挙一色になるだろう。通常国会は1月20日に開幕し、まずは補正予算案の審議が中心だが、解散総選挙をにらみ与野党の対立構造が深まろう。昨年からの懸案である有事関連法案、個人情報保護法案などのほかに教育基本法改正案も上程されると見られており、いわゆる対立法案が目白押しとなる。
 そうした中で4月には統一地方選挙が行われる。統一地方選挙の焦点は東京都知事選であるが、石原都知事はいまだ再選出馬を明確にしていない。石原氏をめぐって新党結成が取りざたされており、国政復帰を目指しているとの見方もあり、解散をにらみつつ都知事選の動静が注目されることになる。
 統一地方選挙は国政選挙の前哨戦であり、とりわけ都市部で与野党の勢力がどう推移するかが焦点となる。地方議会で世代交代が進み無党派新人が大量に当選してくるようなことがあれば、自民党に黄色信号が付く。もう一方の焦点は地方議会で第一党を占める共産党の議席動向である。90年代末の共産党躍進時代の後、低落傾向が続いてきたが、それに歯止めをかけ党勢拡大に転じるか。それは国政選挙のリトマス紙でもある。
 小泉首相の掲げる構造改革も正念場を迎える。不良債権処理問題がどう日本経済に影響を与えるのか先行きが読めない中で、小泉首相は道路公団の民営化で代表される特殊法人改革を進め、次いで念願の郵政事業の民営化に着手しようと考えている。だが、その眼前には与党内の「抵抗勢力」が改革を阻止しようと身構えている。
 この力関係が解散時期を左右してくる。通常国会の会期末は6月18日だが、重要法案の状況を考えれば会期延長が避けられないだろう。その期間が9月30日の自民党総裁任期とも関わって注目される。小泉首相が総裁再選をにらんで9月に解散をぶつけてくるとの見方も有力だからだ。総裁選には自民党内の思惑が交錯するので、6月以降は政界に緊張感が走り続けることになる。
 そうした政界の争いをよそに日本社会に共産主義思想が巧妙に浸透し続けている。とりわけ懸念されるのは、共産主義者が青少年の堕落を誘うべく過激な性教育論を学校に、さらに過激な「男女共同参画」論を行政に持ち込み、伝統的な家庭観と男女観潰しに狂奔していることである。「男女共同参画」に関して各地の自治体で今年、条例作りが進められることになっているだけに、その中身が問われるようになる。
 これは国民の道徳基盤の醸成と深く関わっている。道徳崩壊によって少年犯罪が急増し、少年が検挙者全体の4割を占め、人口当たりの少年検挙者数が成人の8倍に上る。この改革も問われる1年になるだろう。

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