思想新聞2000年7月1日号
シリーズ Q&A 共産主義は間違っている!!
「天皇制」と憲法をめぐる「二重基準」
一貫しているのは「天皇制廃止」の党綱領
「人民共和国」をめざす
Q「神の国発言」への追及など、共産党が「普遍道徳」について拒絶する姿勢はわかりました。でも、彼らがしきりに訴える「護憲政党」というのは、本当なのでしょうか。彼らの主張の節々に、「反天皇制」が露骨に窺えるようなのですが…。
言葉自体が打倒するための造語
Aそもそも、「天皇制」という表現自体が、共産主義者たちが「打倒・転覆」をするためにつくったフレーズなのです。
それが今回の衆院選では共産党の議席はだいぶ減らしたのですが、98年の参院選で「躍進」した後の第三回中央委員会総会(三中総)で、具体的には暫定政権構想、同政権下では日米安保凍結や天皇制容認などのいわゆる柔軟路線を打ち出しました。それによって「微笑戦術」によるソフトイメージを浸透させようとしています。
「人民の民主主義政体とは相容れない」

しかし、その根幹においては何も変わっていないというのが実状なのです。
それはこうしたところに表れています。不破委員長は天皇制容認、つまり天皇制廃止の方針を持っていないと言いますが、共産党の「党綱領」には「現行憲法は天皇条項などの反動的なものを残している。君主制を廃止し、反動的国家機構を根本的に変革して民主共和国を作り、名実ともに国会を国の最高機関とする人民の民主主義国家体制を確立する」と天皇制廃止が明記されているのです。
しかも、「戦前から変わらない政党」と誇らしげに宣伝する同党ですが、「天皇制廃止」という党方針はまさに一貫しているということが言えるでしょう。
つまり、1922年の「日本共産党綱領草案」や「日本問題にかんする決議」(27年テーゼ)ではすでに「君主制の廃止」を掲げ、「32年テーゼ」とも呼ばれた「日本における情勢と日本共産党の任務にかんするテーゼ」では「天皇制の転覆」を唱えています。
また、戦後間もない46年に起草された「党憲法草案」では「天皇制は、それがどんな形を取ろうとも、人民の民主主義体制とは相容れない」と記されています。
君主制でも珍しくない民主国家

さらに、「一貫した憲法擁護」という共産党の主張も、まったくあたりません。『新日本共産党宣言』では「憲法をいちばん大事にしている政党だと自信をもって言えます」と述べられていますが、実は「永久不変」と考えているわけではないのです。つまり、共産党の「護憲」という姿勢はあくまで「戦術」「方便」としてのスタンスにすぎないのです。その証拠に、彼ら独自の「人民共和国憲法草案」の存在があり、民主連合政権の実現から社会主義革命へという「二段階革命論」を保持しているのです。これはまさに、かつてのロシア革命が、ツァーリズムを打倒しさらにボルシェビキ革命によってソ連が誕生したという「二段階」を踏んだケースを踏襲しようとしていると考えられるでしょう。
今日、君主制でかつ成熟した民主主義政体を持っている主権国家は世界に少なくありません。むしろ「王朝」を築いてきたのは、共産主義政権の権力者の方なのです。


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