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File-30 「先進国家」スウェーデンの現況

愛情は二義的で結婚は契約だという女性像

思想新聞2001年4月1日号 シリーズQ&A 共産主義は間違っている!!

フェミニズムの仮面を被ったマルクス主義 14

独立願望のみ強く情緒が荒廃

国を揺るがすフェミニズム

Q これまで、旧ソ連社会での家族制度廃止の試みをはじめとして家庭に関する政策について見てきたわけですが、女性の社会進出や老人福祉などの社会制度において「先進国」と見なされているスウェーデンについては、どうなのでしょうか。

A はい。確かに、八木秀次・高崎経済大助教授も指摘しているように、スウェーデンでの過剰なるフェミニズムの思潮は社会制度を変質させ、今や国家をも揺るがしかねない状況にあると言えそうです。
 そこで、このスウェーデンの社会状況をつぶさに報告した本を探してみました。武田龍夫氏の『福祉国家の闘い スウェーデンからの教訓』(中公新書)という書です。
 武田氏は中大卒業後、ストックホルム大学に留学、外交官となり一貫してスウェーデンをはじめ北欧を担当してきた筋金入りの北欧ウォッチャー。東海大教授を経て、現在北欧文化協会理事を務めています。
 武田氏はこの本の「モデル国家の裏通り」と銘打った章において、フェミニズム関連の問題を述べています。

多義的「神話の国」スウェーデン

「《スウェーデンは神話の国である》とは北海道東海大学の清原瑞彦教授の言葉だが、実は私もこれには同感しているのだ。その中でも女性の地位など代表的な神話だと思っている。
 まずスウェーデン女性は美しい。日本人がフランス人形などで想像している、典型的なヨーロッパ的女性がスウェーデン女性だろう。…しかも美しいばかりではない。彼女たちは賢く自尊心強く、しかも行動的でもある。だからこの国では欧米的なギャラントリー、つまりプレイボーイなど通用しないのだ」「男性と対等で、常に強く美しい女たち――現代のスカーディ(注=北欧神話の女神)がスウェーデン女性たちである。従って彼女たちには心理学でいういわゆる《男性的抗議》が強く流れている。ここにまたスウェーデン社会の問題もある。米国の心理学者なども言っているのだが、スウェーデンの社会的病理の原因の一つは女性だというのである。独立の願望のみ強く、情緒の面で荒廃し、しかも理想とする男性を育てようとはしない利己的で冷淡で永遠の欲求不満を持つ女たち。そこにスウェーデンの男女関係の悪循環があるというのだ。美しい薔薇には刺がある。美人国スウェーデンの皮肉な運命がここにある」
 どうでしょう。著者は何もスウェーデンに偏見をもっているわけではなく、この国を全般的に見て国内の評価と照らして記述しているのです。それではこの国の結婚観とはどういったものになるのでしょうか。
「女性のほうでは初めから愛の征服者、愛の支配者のつもりでいる。ところが男の側は古往今来優しく家庭的な女性像を求める本能的な欲求を捨てきれない。妻は、外で働いていても、家庭がより大切だと考えている――と思っている。だが女性たちはそうは思わない。女性の二重の役割は拒否するのだ。夫婦愛など女性の解放や地位の向上に比べたら二義的なものだ。何しろ強烈な自我を持つ個人主義者同士の結婚だ。うまくいくはずはない。だから日本人女性と結婚したスウェーデン男性たちの、週刊誌で《日本人妻はこんなに夫に尽くしてくれる。耳掻きまでしてくれる》などとノロけた記事が出たとき、女性たちから強硬な抗議の投書が殺到したのである。《日本人女性は女性の敵だ! 私たちは奴隷の愛情を拒否する》と。スウェーデンでは結婚は契約の一つだ。したがって違反したら契約解除となる(といっても夫婦別姓は10組に2組くらい)。日本ではまだ運命共同体の意識が強い」
(武田龍夫・著 同書)

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