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File-39 専業主婦は「怠惰な家畜」か

「ライフスタイル自己決定権」の破壊性

思想新聞8月15日号 シリーズQ&A 共産主義は間違っている!!

フェミニズムの仮面を被ったマルクス主義 23

個人が全能となるアトミズム

 Q ところで、日本の話に戻りますが、そういえば先日、テレビで「専業主婦は是か非か」という激しいトークバトルをやっていました。中には「専業主婦は怠惰な家畜」とまで言い捨てる過激な女性もいましたが…。

 A
 まさに「働かざる者、食うべからず」です。要するに、家庭の中で経済力がないから女性が弱者となる、だから個々別々に経済力をもたねばならない、というのが専業主婦悪玉論の大義名分です。これは一見すると、もっともそうに見えますが、そこに種々のエゴイズムが見え隠れしているのです。
 というのはなぜかと言いますと、専業主婦は一定の職を持たないから怠惰だとする見方は、逆に言えば、子供を保育所に預けさえすれば自分の好きなことができるという、育児からの逃避と言えなくもないからです。しかし、中には子供の教育のためを思って家計を切りつめて家庭に専念する女性もいるのは事実であり、それを怠惰とするのは、独断的偏見としかいえないのではないでしょうか。もちろん育児ストレスからくる幼児虐待のようなケースもありますが、母親となった女性が働くこと、それは家庭を構成する夫婦間で決めるべきことではないでしょうか。
 たしかに、男性が育児に関わるケースとは多くないかもしれませんが、家庭とはすくなくとも結婚して築かれた一つのユニットなのですから、これを顧慮せず、女性が夫に対抗意識ばかり燃やすのはいかがなものでしょうか。「夫は夫、私は私、子供は子供」と、それぞれが違った方向に向いていたのでは健全な家庭が営まれるはずはありません。
 ただし厄介なのは、そこに「少子化社会」の問題が複雑に絡み合っていることです。出生率が低く高齢出産が多いのは、女性が結婚後も働く場が少ないからだ、という論点があります。ですから保育所施設の充実という策も、一概に否定できないのです。子供を出産させやすい体勢を社会が作り出さなければならない、と。
 そうは言っても、もっとミクロ的には家庭内の構成する夫・妻・子という生き方の問題であることは事実なのです。
 そこで、このような専業主婦廃止論と共に、フェミニズムの柱となっているのは、夫婦別姓問題です。これらの抱える本質的な問題点について、八木秀次・高崎経済大助教授はひとこと「ライフスタイルについての自己決定権」のもつ「解放性」「破壊性」の問題であるとして次のように述べています(『「反」人権宣言』ちくま新書)。
 「『ライフスタイルについての自己決定権』はこのような現行法(民法や戸籍法など)が抱いている家族についての秩序間、価値観に疑問を呈する。『個人』の自律性を言い、『個人』の意志の最大限の尊重を主張し、国家の価値中立性を求める。そうなると『個人』の意思のみが唯一の価値の源泉となる。……『個人』の意思の前にあらゆる価値規範や秩序がひれ伏し、相対化されるのである」
 かくて八木助教授はこれを「アトミズム」だと断ずるというわけです。

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