思想新聞 2003年6月24日号 アピール2003
■共産党は綱領改定案は発表した。だが、改定とは名ばかりで中身は何一つ改定していない、語句をいらっただけの欺まん的“改定”である。マルクス・レーニン主義に基づく革命政党であることに変わりはない。
日本共産党は6月21日に第7回中央委員会総会(7中総)を党本部で開催し、綱領改定案を発表した。しかし、いったいどこが改定されているのか。結論的に言えば語句を替えて「厚化粧」しただけである。現行の「宮本綱領」と本質的にはまったく変わっておらず、マルクス・レーニン主義を堅持し、天皇制破棄を柱とする「人民共和国」を目標にしている。
改定案の特徴は「当面」の目標である民主連合政権を強調することで天皇制や自衛隊を「容認」したかのように国民の目を欺こうとしているだけの話である。共産党の本質を見誤ってはならない。
1、7中総で不破哲三議長が述べているように、綱領改定は「国民によりわかりやすい表現」にするというだけのことであって、共産党が路線を修正させたり、過去を反省するために綱領を改定しようというわけでは決してない。
2、共産党はコミンテルン日本支部(国際共産党日本支部)として創立された。この「生まれ」こそが共産党のDNAを決定している最大の問題だが、綱領改定案は「日本共産党は、わが国の進歩と変革の伝統を受けつぎ、日本と世界の人民の解放闘争の高まりのなかで、1922年7月15日、科学的社会主義を理論的な基礎とする党として、創立された」としており、コミンテルンの手先であったことをまったく恥じていない。現行綱領では「日本人民のたたかいとロシア十月社会主義革命など世界人民の解放闘争のたかまりのなかで」と記されていたが、改定案はこの部分(ロシア革命)を抹消している。すなわち事実の隠ぺいが不破議長のいう「国民にわかりやすい表現」という意味なのである。
3、レーニンの革命論の継承が共産党の2段階革命論である。これを共産党は放棄する勇気があるのか、それが問われていたが、結局、放棄することができなかった。その2段階革命論を正当化するために「2つの敵論」が持ち出されてきたが、改定案はこれは堅持している。すなわち改定案は「アメリカ帝国主義は、世界の平和と安全、諸国民の主権と独立にとって最大の脅威」「日本の独占資本主義と対米従属の体制を代表する勢力から、日本国民の利益を代表する勢力の手に権力を移す」としており、表現を現行綱領よりもやわらげているものの、実質的には「2つの敵論」に立ち、したがって2段階革命論の立場にしがみついているのである。共産党は「レーニンの呪縛」から逃れることができないことを自ら証明している。
4、天皇制についてはどうか。改定案は「党は、1人の個人あるいは1つの家族が『国民の統合』の象徴となるという現制度は、民主主義および人間の平等の原則と両立するものではなく、国民主権の原則の首尾一貫した展開のためには、民主共和制の政治体制の実現をはかるべきだとの立場に立つ」と強調し、天皇制否定の「民主共和制」(従来の「人民共和国」)の堅持を相変わらず表明しているのである。
改定案は「しかし、これ(現行の天皇制)は憲法上の制度であり、その存廃は、将来、情勢が熟したときに国民の総意によって解決されるべきものである」としていることから、これをもってマスコミの中には「当面は天皇容認」と報じている社もある。しかし、これこそが国民をペテンにかけようとする共産党一流の欺まんである。なぜなら改定案の本旨は天皇制否定を明確にしているのであって、「憲法上の制度」うんぬんは現状認識を述べたにすぎないからである。むしろ注目すべきは改定案が「(憲法の)天皇条項については、『国政に関する権能を有しない』などの制限規定の完全実施を重視し、天皇の政治利用をはじめ、憲法の条項と精神からの逸脱を是正する」として、現憲法下で反天皇制の条件闘争をより一層展開することを明言していることである。共産党はますます反天皇策動を行おうとしているのである。
5、日米安保条約についてはどうか。現行綱領は「破棄、全アメリカ軍の撤退と軍事基地の一掃のためにたたかう」という表現だったが、改定案は「破棄しアメリカ軍とその軍事基地を撤退させる。対等平等の立場にもとづく日米友好条約を結ぶ」としており、「たたかう」との表現を消し「友好条約を結ぶ」という表現で、柔軟さをよそおい、カモフラージュしただけであって日米安保破棄の中身はまったく同じなのである。
6、自衛隊についてはどうか。これまでは「自衛隊の増強と核武装、海外派兵などの軍国主義の復活・強化に反対し、自衛隊の解散を要求する」としていたのを「安保破棄後のアジア情勢の新しい展開を踏まえつつ、国民の合意での憲法第9条の完全実施(自衛隊の解消)に向かう前進をはかる」と反対や要求といった強い表現を避けただけにすぎず、ここでも自衛隊解散を指向する方向性に変化ないのである。
7、企業に対してはどうか。綱領改定案は「生産手段の社会化は、その所有と管理が、情勢と条件に応じて多様な形態をとりうるものであり、日本社会にふさわしい独自の形態の探究が重要であるが、生産者が主役という社会主義の原則を踏みはずしてはならない」としてソ連型を否定しつつも、「生産手段の社会化」を社会主義の原則に据えることにこだわり続けているのである。結局は「共産党」なのである。
8、以上の事実から共産党は綱領を改定するといっても表現を改定するだけであって革命路線を改定したわけでは決してないことは明白である。綱領改定案は最後に「社会主義・共産主義への前進の方向を探究することは、日本だけの問題ではない」として、資本主義諸国のみならず、アジア・中東・アフリカ・ラテンアメリカの広範な国々の人民の運動との連帯を表明し、「日本共産党は、それぞれの段階で日本社会が必要とする変革の諸課題の遂行に努力をそそぎながら、二一世紀を、搾取も抑圧も知らない共同社会の建設に向かう人類史的な前進の世紀とすることをめざして、力をつくすものである」と、世界革命を目指す新たな”共産党宣言”を発しているのである。共産党の本質は何ら変わっていないことを認識しておかねばならない。


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