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未来志向の日韓関係を築き、中国の野望を阻止せよ

この記事は2013年2月27日に投稿されました。

麻生副総理は25日、韓国の朴槿恵大統領就任式に出席し、就任直後に朴大統領と会談した。北朝鮮の核・ミサイル開発などを念頭に、日韓両国が未来志向で緊密に協力していくことで一致した。
 日韓の懸案事項に関しては、朴氏が「歴史問題などで未来志向的な関係発展が妨げられていることは残念だ」と語ったが、いわゆる従軍慰安婦問題などの具体例をあげて日本側に厳しく詰め寄ることはなかった。
 李明博元大統領が政権末期に竹島に上陸し、さらには天皇陛下への謝罪要求発言まで行ったことを考えれば、十分想定内の発言だったともいえる。李氏はそもそも、韓国の歴代大統領の中でも最も親日的とされた大統領だった。昨年は日韓初の軍事協定となる「軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」の締結にも熱心に取り組んだ。実際は締結直前で国内の反対にあって失敗したが、日韓の連携の重要性はよく理解していたのである。
 しかしその失敗が逆に李氏を追い詰めることになった。国内における求心力を失い、さらには親族の不正が取りざたさ、結局は安易な反日行動に出た。李氏の失態によって失われた日韓両国の国益は計り知れないが、それと同時に現在の韓国における対日政策がどれだけ敏感な問題なのかを伺い知ることもできるだろう。

難題が山積の韓国新政権

朴氏は日韓国交正常化を果たした朴正煕元大統領を父に持つことから、野党などの反対勢力はことあるごとに「親日派」として攻撃してきた。選挙結果を見ても、国民のほぼ半数は反対勢力である。さらに朴氏が大統領として第一に取り組まなければならない韓国経済の立て直しは難題が山積している。
 韓国では、カードローンなどで負債を抱える家庭が非常に多く、負債総額は1000兆ウォン(約86兆円)に迫っている。国内総生産(GDP)に対する家計負債は約81%で、世界で5番目に多い。
 急激なウォン高も韓国経済にとっては深刻な問題だ。対円のウォン相場は、日本の円安政策もあって20%も上昇した。韓国は貿易依存度が87.4%と高く(日本は25.1%)、特に中小企業に対するダメージは計り知れない。今は大企業ですら利益を出すのが困難な状況とも言われている。
 朴氏は大統領選で、「国民幸福」のための「増税なき福祉」を公約として掲げた。老人医療無償化や保育園無料化、大学授業料の軽減や家計負債の救済などである。しかし韓国経済の成長が低下している中、これらの政策を実現する財源の目途はいまだ立っていない。

中国の韓国抱き込み工作を阻止せよ

韓国新政権を虎視眈々と狙っているのが中国だ。習近平は、朴氏の就任式に劉延東国務委員という中国共産党内で最も地位の高い女性を送り、韓国重視の姿勢をアピールした。習指導部は、安倍総理が主導する「中国包囲網」から、韓国だけはなんとしても引きはがしたいという考えがある。さらに中国は尖閣を巡って対米関係も悪化しているから、韓国と反日路線で共闘体制を取れれば、日米VS中韓という構図を作りだすことで国際的孤立を防ぐこともできる。
 韓国においても、経済の立て直しのカギは中国が握っているという実情がある。韓国の対中貿易の額は、対米、対日を合計した額を上回っている。人的往来も同様だ。朴氏は中国特使の劉氏と会談し、「両国関係を充実させるためにさらに緊密に協力する」ことで一致した。
 韓国は歴史的に見ても中国からの影響が非常に強く、大陸志向の強い国だ。それは今なお韓国の民族感情としても残っている。しかし韓国が今大陸に向かえば、そこに待ち構えているのは北朝鮮と中国という共産主義国家である。韓国が、自由と民主主義という同じ価値観を共有するのは日本であり、米国だ。だから韓国は今後、海洋へと向かうべきなのだ。それが東アジアの安全保障にとっても非常に大きな意義をもつことになる。
 21世紀は海洋の時代でもある。韓国が今後大陸に向かうのか、海洋へと向かうのか。日本はここに注意深く、しかし積極的に関与するべきだ。両国の懸案事項を時間をかけて解決しながら、未来志向の日韓関係を構築する必要がある。

2013年2月27日

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