この記事は2014年1月20日に投稿されました。
米普天間飛行場の移設受け入れの是非を最大の争点とした沖縄県の名護市長選で、移設反対派の現職、稲嶺進氏が再選を果たした。有効投票者数は約4万6千人、稲嶺氏の得票は19,839票、敗れた末松氏は15,684票だった。
稲嶺氏は無所属だが、共産、生活、社民が推薦した。左翼的なイデオロギーの持ち主であることは間違いない。市長選では「移設阻止に向けた最後の砦になる」と訴え、米軍の県外・国外移設を主張した。当選後、共産党の志位委員長はNHKで「基地を辺野古に作ることはできない。断念に追い込む」と述べている。
市長による移設の妨害は筋違いだ
これらの発言は、ことごとくナンセンスだ。そもそも移設に関しては、沖縄県知事である仲井真氏が昨年12月、国の要請に基づき辺野古沿岸部の埋め立てを承認している。移設はすでに既定路線だ。
沖縄が日本の国防の要所であることは周知の事実であり、安全保障にかかわる重大な問題が地方の首長選挙で争点となること自体がおかしい。地方自治法では、地方自治体は住民の福祉の増進を図ることが行政の基本であり、国家としての存立にかかわる事務は国政が担うよう定めている。だから、移設の是非は国政で判断することなのだ。
朝日新聞は、「私たちの民主主義社会は、投票で意思を示すというルールで動いている」(1月20日)と述べ、「沖縄の基地問題に限れば、このルールは通用していない」(同)と断じた。政府が市長選の結果について、「(移設には)全く影響ない」(菅官房長官)と述べたことについてである。勘違いも甚だしい。基地問題は国家の存立にかかわる問題だから、市長選の投票によって左右されるものではない。それが我が国のルールだ。
もし地方自治体の首長が、国がしかるべき手続きを経て決定した内容を否定するのであれば、それこそ民主主義に対する暴挙と言える。不満があれば、国政を担う国会議員の選挙の際に争点にして議員を立てればよい。それこそが民主主義だ。
「似たような例が他にもある」と考えた方も多いだろう。そう、都知事選に「脱原発」を掲げて出馬を決めた細川元総理と、その支援を決めた小泉元総理である。原発政策は国のあらゆる経済活動の根幹にかかわる問題である。東京都は、事故を起こした福島第一原発から電力の供給を受けていたが、それは東京都だけでもない。また、「脱原発」は日本全体の経済活動を左右する。いうまでもなく国政の選挙で争うべき問題なのだ。
一昨年の衆院選では、「脱原発」で知名度をあげた嘉田由紀子滋賀県知事を党首に日本未来の党が挑んだ。しかし結果は惨敗、党そのものが衆院選直後に解体した。この敗北を都知事選で巻き返そうなどとは、「地方選の悪用」(読売新聞1月20日)といっても過言ではない。
共産党を反政府の受け皿にするな
それにしても気になるのは、共産党系の候補者が反自民の受け皿になっていることだ。昨年7月の参院選でも、東京都選挙区で日本共産党公認の吉良佳子が当選した。吉良氏は日本共産党の准中央委員だ。70万票を獲得、5人区で3位当選は日本共産党としても初めてだった。
最近は日本共産党からの過激なメッセージがさほど聞かれない。ソフト路線をしいてイメージ戦略をとっているからだ。しかしその本質が何ら変わるわけではない。マルクスは共産党宣言(1848年)で、暴力革命による資本主義社会の打倒を訴え、「家族の廃止!」を主張した。日本共産党は、決して単なる反自民の受け皿ではない。国家と家庭を解体する明確な思想をもっているのだ。
都知事選が近づいている。感傷的なスローガンを訴える左翼的な扇動に乗せられてはならない。冷静な判断で投票に臨むべきだ。
2014年1月20日


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