国際勝共連合 機関紙 思想新聞は創刊56年 通巻1896号 (令和8年4月1日)

日韓

教科書問題

日韓教科書問題の解決策

 これまで本紙でも何回か紹介された拙著『日韓2000年の真実』は、韓国の書店でも売られるようになった。購読した韓国人から電話や手紙をもらうことがある。韓国の読者たちは、「この本は日韓相互の立場を理解していて、うれしかった。両国はこの精神でゆくよりほかない」というのがほとんどだ。 そのためか、来日した韓国のKBS(韓国国営放送)の記者から電話がかかった。教科書問題で取材したいという。3月28日、水道橋にある約束のYMCAに到着したら、記者をはじめ通訳、カメラマンら4人が待ち構えていた。いずれも30歳代で、謙虚に出迎えてくれた。 歴史認識の富士山史観 いろいろ質問を受けたが、言い古された内容ばかりで新鮮味がない。こんなことをやっていたら、日韓関係はギクシャクするばかりだ。私は一人でまくしたてた。 【1】韓国は教科書問題で内政干渉がましいことを言ってくるが、日本人を韓国嫌いにしていることに気づいてほしい。 【2】そもそも歴史観はいろいろある。同じ富士山でも山梨県から見た富士山と、静岡県から見た富士山では違う。飛行機の上から見たらまた異なる。朝昼晩で違うし、春夏秋冬でまた違う。いろいろの富士山を見ることによって富士山がよく判る。 伊藤博文と安重根 【3】伊藤博文でも、韓国から見れば「韓国侵略の元凶」だが、日本から見れば「明治日本を創った大政治家」である。安重根についても評価は逆になる。日本から見れば「人殺し」だが、韓国から見れば「民族英雄」になる。一方の見方を押しつけるのは愚かである。反感を持たれるが、笑われるだけである。 【4】その点、石川啄木は見上げたものだ。彼は伊藤の壮絶な最期を次のように詠んでいる。いにしへの彼の外国の大王の如くに君のたおれたるかな誰ぞ我にピストルにても撃てよかし伊藤のごとくに死して見せなむ 彼はまた同時に安重根に感動して言う。雄々しくも死を恐れざる人のこと巷に悪しき噂する日よ人がみな恐れていたく貶すこと恐れえざりしさびしき心 このように一つの事件でも、相互の立場を理解することによって、成熟した歴史認識が育つことになり、日韓の友好は深まるのである。 韓国に学ぶこと 【5】もう歴史観で争うのはやめようではないか。どちらが勝っても後味の悪さだけが残る。それよりも相手の長所を学ぼうではないか。韓国はすばらしい。憲法は朴大統領の頃につくった「維新憲法」だし、教育勅語に当たる「国民教育憲章」がある。「国には忠誠、社会に奉仕、父母には孝道」の基本が確立している。愚かなる国旗・国歌論争はない。小学一年の「生活科」の教科書の第十章は「国を愛する」となっていて、国旗・国歌に対する姿勢、扱い方等、図解で示しながら徹底して教える。 教職員の団体である「韓国教育会」は、政治的に中立だし、校長の権威は確立している。五月には教育週間が設けられ、「師の恩」に報いる行事が行われる。 日本では国民道徳の基本が確立していないから、韓国の立場からその点を指摘し、叱ったらどうか。 韓国が兄、日本が弟ならば 【6】韓国には小中華思想がある。「韓日は兄弟のようなもの」と言った場合、兄が韓国で、弟が日本らしい。だとするならば、兄なら兄らしく、弟を教えたらどうか。 「弟の日本よ、日本は独立国ではないか。独立国なら独立国らしくシャンとせよ。外国から批判されたらすぐペコペコと謝罪するのは見苦しい。日本には日本の立場があるではないか。堂々と反論したらどうか。教科書の書き直しを要求されたらすぐ応ずるのは不甲斐ないではないか。兄として恥ずかしい。跳ね返すだけの誇りと自信を持て」 このように叱ったとしたら、韓国は日本に兄として尊敬されるのではないか。 私はたくさんの写真など用意して、KBSの記者を相手にほぼ一時間話した。記者諸君は「初めて聞くことばかりだ」と興味を持って聞いてくれた。しかし、私の発言はまだ放映されてはいないようだ。