国際勝共連合 機関紙 思想新聞は創刊56年 最新の主張はこちらから

北朝鮮に「核査察」を迫れ

思想新聞1998年11月25日号 主張

 クリントン米大統領が来日し、小渕首相と日米首脳会談をもったが、その中で経済問題とともに米国が重要視したのは北朝鮮問題である。北朝鮮は核疑惑施設の査察を認めないばかりか、ミサイル開発を着々と進めており、米国はこれまでの対北朝鮮政策を転換させて硬軟両面から対応することを明らかにした。韓半島情勢は予断を許さない。

米国は北朝鮮政策の抜本的に転換へ

 米国のこれまでの対北朝鮮政策は、国務省主導で進められ、94年10月の米朝核合意が基本になってきた。同合意は、北朝鮮が核開発をやめ国際核査察を受け入れる見返りに、米国が日韓の協力を取り付けて軽水炉の提供や食糧支援、重油の支給を行うというもので、この米朝合意をテコに北朝鮮を国際政治の場に引き出し、対話の場を広げて、ソフト・ランディングを模索しようとしていた。それが米国の思惑だった。

 しかし、北朝鮮は金正日体制のもと、ひたすら軍拡路線を走り続け、新たな核疑惑につながる地下施設の建設すら進めている。もはや国務省レベルで対北朝鮮政策を進めていくのは困難な情勢となった。

 このため、ついにクリントン大統領は11月12日、対北朝鮮政策全体を見直す調整官としてペリー前国防長官を指名した。閣僚クラスの大物を配置して対応せざるを得ないところまで、米国は追い込まれているのである。

 北朝鮮の新たな疑惑はミサイル発射、ミサイル輸出、そして地下核施設の建設という三つの問題で表面化しており、そのいずれもが北東アジアのみならず、世界の平和を守る上で看過できない重要問題を含んでいる。

 このうち、地下施設の問題は寧辺にある核関連施設の建設凍結をうたった94年の米朝核枠組み合意に触れるものだ。さる11月17日から2日間にわたって平壌で米朝高官会議が開かれ、カートマン米特使は寧辺付近の地下施設の査察を求めたが、北朝鮮は拒否し物別れに終わった。米政府筋の話によると、査察の見返りに3億ドルの支払を要求したという。泥棒の論理を平気で主張するのが北朝鮮である。

 このまま放置すれば「4~5年後には新たな原子炉が完成する」(ペリー調整官)のは確実で、北朝鮮が新たな核開発に乗り出したとみて間違いない。

いつまで続ける日本の平和ボケ

 そればかりか、北朝鮮の地下施設は施設という次元を超えて「地下都市」化している。旧ソ連やリビア、イラクも地下施設を建設したが、北朝鮮の施設は最大規模のもので、核疑惑の寧辺地域のみならず、山岳地帯にも設置。ミサイル生産設備も持つため、すでにかなりの量の「ノドン」ミサイルを生産しているほか、化学・生物兵器など大量破壊兵器を生産している可能性が強く、偵察衛星による察知も困難になっている。

 こうした「地下都市」で生産されているミサイルは、さる8月31日に日本上空を通過させて発射実験したように、一段と高性能化している。北朝鮮が大陸間弾道弾ミサイル(ICBM)を保有するのは時間の問題との見方もある。北朝鮮のミサイルは世界の紛争地に輸出されており、この面でも大問題だ。

 こうした背景から、米国は対北朝鮮政策を練り直している。コーエン国防長官は、日本が周辺事態法制定の時期のめどが立っていないことに対して「成立に向けて動かないではいられないのではないか」(11月2日)と述べ、韓半島情勢がのっぴきならないところにきていることを示唆している。いつまでも平和ボケであってはならない。

コメント

タイトルとURLをコピーしました