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自主憲法制定めざせ 21世紀の国づくりへ使命大きい憲法調査会

思想新聞 2000年3月15日号

改正点の明確化が不可欠「9条」「非常事態」は焦眉の急

衆院憲法調査会による論議の様子=2月17日

 衆参両院に設置された憲法調査会は2月下旬から本格的論戦の火ぶたを切った。同調査会は昭和22年に現行憲法が施行されて以来、初めてのもので、それだけに改憲に向けた抜本的な論議が期待される。共産党や社民党などの「護憲勢力」は同調査会を論議だけの場にとどめようとしているが、それでは調査会設置の意味がない。制定過程はもとより、あらゆる条項を洗い直し、自主憲法制定への道筋をつけることが重要だ。

国民一人一人の責任で国家改革の推進を

 衆参両院で始まった憲法調査会は、参院では各党委員による自由討議、衆院では各党代表者の見解が表明され、それぞれ本格的な論議を始動させた。
 この論議ですでに論点は出尽くした感が深い。自民党や自由党が指摘するように「制定前後の歴史的経緯について共通認識を得て、そのうえで議論進める」(自民・葉梨信行氏)ことは「戦後体制」にメスを入れるために必要だ。
 また「国際社会で生きていくためには、責任の共有が不可欠で、日本だけが独善的行動をとることはできない。特に安全保障や危機管理に関する規定は、国際的な共通の基準を考えるべきだ」(自由・野田毅氏)というのも当然だろう。
 さらに「国際環境の急速な変化や社会生活環境の変動など、時代は憲法について議論を求めている」(民主・鹿野道彦氏)のが現実だ。
 表にあるように憲法改正への最重点項目は以下の七点になるだろう。
 1.天皇の元首の明確化=
現行憲法では元首の規定がなく、共産党のように天皇制反対の立場から「国の代表者は首相」と主張する勢力も存在する。この際、天皇が元首であると憲法に明確に規定する。
 2.国防義務と自衛権の明示=国を守ることは国民の義務と規定し、国連憲章に明示する集団的自衛権の保持・行使を明文化することによって国の安全と国際社会への責任姿勢を示す。
 3.人権と義務の整合性=
現行憲法は権利規定ばかりが多く、いわば権利氾濫。「公共の福祉」は漠然としているため混乱しており、権利と義務を整合させる。
 4.家族と伝統の重視=個人主義に貫かれており家族の規定がなく、伝統的な家族観の復権が望まれる。
 5.非常時態勢の確立=現行憲法は非常事態宣言がないなど、世界で希な平和ボケ憲法。非常時態勢を明示しておかないと有事に対応できない。
 6.憲法裁判所の新設=違憲審査権だけをもつ裁判所がないため、事件が起こらないと違憲審査がなく形骸化している。この状況を打破するために憲法裁判所を新設する。
 7.改正手続きの軟性化=現行憲法は硬性憲法であるため解釈改憲がまかり通っている。時代に則した憲法に改正が可能なように手続きの軟性化をはかる。
 以上の七点のほか、憲法調査会では首相公選制の導入や私学助成問題、環境権・プライバシー権・知る権利の設定を求める声も出ている。参院では、二院制や参院の独自性・存在意義を問う意見も出されている。
 このような諸点を検討することは言うまでもないが、それ以上に問われているのが「国がら」や「国体」で、これを憲法に明確に示すことが重要だろう。わが国の現行憲法は戦後占領下という特異な時代に制定され、しかも、あらゆる分野で戦後体制の改革が迫られている。現実政治はもとより「国がら」や「国体」からも乖離した現行憲法を放置することは道義的にも許されるものではない。
 国民が自らの責任で憲法を制定する、つまり自主憲法制定が国家変革への第一歩となるだろう。

憲法改正7つのポイント
【1】 天皇の元首の明確化
【2】 国防義務と自衛権の明示
【3】 人権と義務の整合性
【4】 家庭と伝統の重視
【5】 非常時態勢の確立
【6】 憲法裁判所の新設
【7】 改正手続きの軟性化

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