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日米連携で世界平和に貢献真のグローバル・パートナー時代に

思想新聞2003年11月1日【TOP】

試金石のイラク復興支援日米首脳会談

晩餐会を終え、笑顔でブッシュ米大統領夫妻を見送る小泉純一郎首相
(10月17日、東京・迎賓館=産経)

 ブッシュ米大統領が来日し東京都内の迎賓館で10月17日、小泉首相と日米首脳会談を開催、イラク復興支援や北朝鮮の核問題などで日米連携を強化することを確認し合った。折しも国連安保理は全会一致でイラク新決議(決議1511)を採択し、イラク治安回復への多国籍軍派遣と復興支援を目指す。それだけに、いまほど日本が一国平和主義から脱して国際貢献に積極的役割を果たすことが望まれるときはない。その柱となるのが日米同盟である。21世紀の日米関係はグローバル・パートナーシップを確立し、世界の平和と繁栄に貢献することだ。

 日米首脳会談はブッシュ大統領が20日からタイのバンコクで始まるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)に参加するなど、一連のアジア外交の最初の会談だった。同大統領は日米会談を手始めにフィリピン、タイ、シンガポール、インドネシア、オーストラリアを歴訪、国際対テロ戦の「第二戦線」(第一戦線はアフガン、中東)である東南アジア諸国に「テロとの断固たる戦いを継続することを促す」(ライス補佐官)ために各首脳と会談した。
 中でも日米首脳会談は米国にとっては単なる二国間会談ではなく、世界的な意味合いをもっていた。イラク戦争では本来、同盟関係にある仏独など欧州諸国と亀裂を生じ、イラク復興支援も計算通りに進展していない。そんな中で小泉首相は9・11事件以降、変わることなく米国を支えてきた。それはアフガニスタンでの対テロ戦にはテロ特措法、今回のイラク戦争ではイラク特措法を成立させて支援体制をとったことで象徴されている。
 そのイラク戦争では、国連安保理で仏独などが“反旗”を翻したため、米国は新生イラクづくりに苦戦を強いられてきた。10月16日の安保理で、ようやく新イラク決議が採択された。米国は9月3日に最初の決議案を安保理に提出して以来、5回も修正案を出し、実に44日目にして全会一致の可決にこぎつけたのだ。これで米国はイラク治安回復への多国籍軍派遣とイラク復興支援の国連のお墨付きを得た。同決議を踏まえ、イラク統治評議会は12月15日までに新憲法起草などの日程を安保理に提示しなければならない。それだけに治安回復は焦眉の急となる。
 しかし、仏独露は同決議案に賛成しても軍派遣と復興支援金を拠出することを拒否している。その結果、欧州の復興支援額はEU(欧州連合)が拠出する2億ユーロ(2.3億ドル=約260億円)にとどまる。イラク復興に必要な額は今後4年間に550億ドル(約6兆円)と世界銀行が発表しているものの、欧米日の支援表明額はその半分強にしかすぎない。
 支援表明額は米国が04年に200億ドル、英国9.1億ドル(3年分)、スペイン3億ドル(4年分)、EUが2.3億ドル、そして日本が4年間で約50億ドル(このうち04年に15億ドル=約1600億円)。日本は米国に次ぐ額で欧州をはるかに上回る。ここに日米連携を浮き彫りにされている。
 日米首脳会談では小泉首相が「日本は戦闘行為には参加しないが、復興人道支援ではきちんと役割を果たす」と述べ、年内にも自衛隊を派遣する考えを表明、新イラク決議を歓迎しイラク復興支援に協力するとした。これに対してブッシュ大統領は日本が発表した04年分の15億ドルの無償資金協力に「内容もタイミングも大変よかった」と謝意を述べた。
 国内の一部では日本の支援額が突出しているとする批判もある。だが新生イラクの歴史的意義を考えれば、決して突出したものとは言えないだろう。有人宇宙船を打ち上げる中国に対しODA(政府開発援助)を02年度だけでも1342億円(79年からの累計は3兆円以上)も出していることを考えれば、イラク支援は決して高額ではないからである。
 イラクの治安回復と復興支援が成功し、イラク人による新政権が樹立されれば、世界平和と日本の国益にとって極めて意義深いことを忘れてはならない。
 第一に、新生イラクはテロや大量破壊兵器の輸出国とならず中東和平と世界平和に貢献する。第二に、新生イラクは周辺の中東諸国の経済発展と民主化に好影響を与える。第三に、石油埋蔵量第二位のイラクから安定した原油提供が世界に行われ、日本もその恩恵に浴することができる。
 したがってイラク復興支援への協力は国際社会の安定に大きく寄与することになるのだ。
 なのになぜ、仏独露は消極的なのか? それはフセイン政権時代からの利権を確保するために米英の軍事行動に反対した手前、米国が主導するイラク復興支援に難色を示しているからにすぎない。イラク人による新政権の樹立の見通しがつけば、手の平を返したように介入してくることは想像に難くない。だから、仏独露が消極的だから日本も突出しないほうがよいなどという論者は「衣をまとった反米主義者」と断じて間違いない。

■日米同盟は新時代に入る

 日米関係は21世紀に入って新たな次元に飛躍するときを迎えている。マッカーサーが厚木に降り立って始まった戦後の日米関係は、60年に日米安保条約を締結するまでの「保護者・被保護者」を第一段階とするなら、60年から75年に日本がサミットに参加するまでが「後見人・被後見人」の第二段階、冷戦が終焉した90年までが「イコール・パートナー」の第三段階だったと言える。それ以降のポスト冷戦時代の今日はまったく新たな段階である「グローバル・パートナー」、つまり二国間の枠を越えて地球規模の日米関係に入ったのである。
 その試金石が91年の湾岸戦争だったが、そのとき日本は資金提供だけしか行わず国際社会のひんしゅくを買った。それは国際貢献への国内基盤が整備されていなかったからだった。そこで92年にPKO協力法をつくり、初めて人的国際貢献(自衛隊派遣)に踏み切り、以降、周辺事態法、テロ特措法、有事三法、そしてイラク特措法と、つぎはぎだらけではあるが国内基盤を整備してきた。
 その意味でこれからが日米の「グローバル・パートナー」の真価が問われることになる。そんな時にイラク復興支援が俎上に載ってきたのだ。しかも米国と欧州が不協和音を奏でている。こうして今、米国は日本を真の「グローバル・パートナー」を認めざるをえなくなり、日本もまたその役割をきちんとこなす。それが日米連携で世界平和に貢献する方策である。

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