国際勝共連合 機関紙 思想新聞は創刊56年 通巻1898号 (令和8年5月1日)

第35回 新しい憲法をつくる国民大会 国民投票法制定で新憲法実現を

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【思想新聞2004年5月15日号 1面】TOP

06年にポスト調査会が始動へ超党派で日本の未来を拓こう

57回目の憲法記念日の5月3日、「新しい憲法をつくる国民大会」(第35回自主憲法制定国民大会、主催=「新しい憲法をつくる議員同盟・同国民会議」)が東京・九段の千代田区公会堂で約500人を集めて開催された。大会では最終段階に入った両院憲法調査会の動きと、改憲への世論の高まりと共に、さらに新憲法制定はもとより、それを実現するための国民投票法の早期制定を求めていくことなどを決議した。

政界から自民党憲法調査会会長の保岡興治元法相、民主党から武正公一衆院議員(党国対副委員長)、そして主催団体理事でもある板垣正・元参院議員、経済界からアジア経済懇話会の前野徹会長、学界から憲法学会理事の竹内雄一郎・高崎経済大名誉教授が、それぞれ壇上で挨拶に立った。
 保岡氏は小泉首相の指示で自民党が来年の結党50年に新憲法草案をまとめるとした政権公約に触れ、「新しい時代に向かって国の歩むべき方向を明確にする」と述べ、「ポスト憲法調査会として、両院に常任委員会を設置して各党の憲法改正案を明確にし議論する。そのため遅くとも06年の通常国会から発足させて議論を活発化させるべきだ」として、国会に改憲発議権を持つ常任委員会の設置することを明らかにした。
 民主党議員としては初めて来賓として参列した武正氏は「1月の党大会で菅直人代表(当時)から06年をめどに民主党の憲法素案をまとめる旨の発表があった。既に党憲法調査会で五つのグループに分かれ参院選で訴える改憲骨子をまとめる作業を進めている。若い議員は憲法改正に抵抗感は少ない」と若手を中心に改憲機運の党内での盛り上がりを報告した。
 板垣理事は「占領憲法57年目にして改正への展望が具体的に開けてきた。自主憲法議員連盟は既に55年の保守合同に先立って結成された。昭和44年、第1回自主憲法制定国民大会は約2万人を集め武道館で開かれた。以来、憲法改正の主張が長らく封じられてきたことを思うと、改憲を党是とする自民党が結党50年を迎えるにあたり感無量だ」と大会の歴史を踏まえて訴えた。
 前野氏は、「マレーシアのマハティール首相やタイのタクシン首相は、占領憲法を改正できず、国土も国民も守ることができぬ主権国家たりえない日本を見ると、勤勉な日本を見習う《ルック・イースト》どころか、今や日本の衰退に学べと言っている」と語った。
 竹内氏は、「学問は冷静に議論をする必要がある。そもそも憲法とは成文自体だけでなく、国の歴史や国民・文化を支える基盤の総体として考えるべきで、敗戦後、それを批判の俎上に載せてしまった」と解説した。
 また主催者側来賓として参加団体に名を連ねる本連合の高橋正二本部理事も壇上で紹介され、多数の祝電が寄せられた。
 さらに戸塚進也元衆院議員が「国民七割が改憲を支持する今、世論をリードする大会に敬意を表する」と語り、自民党の平沢勝栄・衆院議員が駆けつけ「拉致問題をはじめ、戦後日本の問題の戦犯は憲法にある。現在、護憲の学者が多い中、敢えて慶応大学で憲法を講じている。若い世代と憲法の議論ができて有意義だ」と挨拶した。
 この後、憲法学会副理事長の竹花光範・駒澤大学副学長が「憲法改正に必要な国民投票法の早期制定を!」と題し講演(別掲)。憲法九六条の改正規定を解説し、国会法の改正と国民投票法の制定の必要性を指摘した。
 続いて愛知和男会長が、昨年の大会で発表した「新憲法案」への「国民の声に答える」として講話(別掲)。
 この後、主催団体メンバーの町田高氏が大会決議案を読み上げ、満場の拍手で承認を受け、政府・国会・各党へ提出するため決議書が愛知会長に手渡された。
 閉会に際して、小林正元参院議員が「憲法改正の前哨戦ともいうべき教育基本法の改正にもぜひ注意を傾けてほしい」と力強く挨拶。最後に元国税庁監督官の清水明夫氏の音頭で万歳三唱し、大会を締めくくった。

5・3自主憲法制定国民大会〔発言要旨〕

手続法と常任委設置めざす自民党憲法調査会長・元法相 保岡 興治氏

 自民党としては、昨年の愛知和男会長の改正試案には大いに啓発・刺激を受け、憲法改正の気運が一段と高まった。
 先の総選挙での政権公約では、結党50周年にあたる2005年秋には、党としても憲法草案を示し、新しい時代の国の理想像、すなわち国民が誇りを持て、そして世界に尊敬される国造りの形というものをそこに顕せるよう努力している。
 そこで改憲を明らかにしたわが自民党、改憲に挑もうとする民主党、そして論憲から加憲、さらには憲法全般を見直そうという公明党と、憲法改正を射程に入れた勢力が今や国会議員の95%を占め、いわゆる「護憲勢力」としての社民・共産両党はわずか5%になった。
 こうした状況の中で、葉梨信行前会長を引き継いだが、党内でプロジェクトチームを作り、杉浦正健議員に座長を、顧問には愛知和男先生にお願いし毎週一回、憲法の全てのテーマを網羅して議論してきた。
 今国会の間中には、参院通常選挙後の本格的な憲法論議の基礎をつくるために議論の方向を一致させなければならない。
 あるいは意見が分かれたり、少数だが議論をきちっとしておかなければならない貴重な提言などを整理し、我が党の一致した方向を打ち出した上で、参院選を迎えたい。
 民主党も今年中に改正案を示すものと見られ、選挙前には中間報告をまとめるという。公明党もこの7月の党大会までに全ての改憲の議論をつくすとしている。衆議院の中山太郎会長、参議院の上杉光弘会長とも、来年の国会には5年の論議を踏まえ、最終報告をまとめるとしている。そのために、各党とも確固とした憲法改正案を提示しなければならないだろう。
 また実は私たちは超党派議連で憲法改正の手続法について民主・公明両党と共に案を作り検討を始めたところだ。この憲法改正手続法推進議連の案については、国民投票の資格者が最大の問題だ。今のところ有権者、国政参加できる人とするのが無難だ。別にすると話が混乱して難しい。
 憲法改正を発議するための委員会等の設置も検討されている。現在の国会では発議をして政案を得る委員会が入っていないのだ。
 いずれにしろ、最終報告が出される際には、各党ともそうした議論・意見がまとまってくる。ポスト憲法調査会には両院に常任委員会を設置して各党の改正案を明確にし議論していく。その先に3分の2の賛成により改正が実現する。
 2007年には両院で選挙が行われる見通しで、遅くとも06年にはこの常任委員会を発足させ改正の論議を活発化させなければ、国民の間に湧き起こる憲法改正への声や変化する国際情勢に対応できない。

党を挙げて「創憲」時代へ 民主党国対副委員長・衆院議員 武正 公一氏

 民主党は議論をタブー視しない「論憲」の段階から、憲法をつくっていく「創憲」に移った。党憲法調査会の五つの小委員会は、参院選前に骨子をまとめる作業を進めている。
 九条については、小沢一郎民主党代表代行、横路孝弘副代表が国連待機軍構想について合意をしている。若手議員の中には集団的自衛権を認めるべきだとの意見もあるが、民主党の選択肢の一つに上がってきたことは間違いない。
 地方主権も強く打ち出していきたい。外交、安保などは政府に権限と責任を集中させる一方、任せられるものは地方政府に委ねることを条文に明示すべきだ。
 民主党は衆院の70%以上を当選四回以下の議員が占めている。だから若手議員には憲法改正に抵抗感が比較的少ない。

国民投票法の制定を急げ 駒澤大学副学長・憲法学会副理事長 竹花 光範氏

 憲法は57才と新聞記事にあったが、制定当時日本は占領下にあり、サンフランシスコ講和条約発効まで主権はなかった、という認識が必要だ。
 憲法96条の改正手続きは大変不備な規定だ。例えば国会の両院で総議員の3分の2で憲法改正案を可決するというが、総議員の意味がはっきりしない。また国会で審議する憲法改正案を誰が作って提案するのか書いていない。提案権は誰にあるのか、その場合は何人の議員で提案するのか、「総議員の3分の2」の「総議員」とは出席議員の数か。こうした定義を、国会法改正によって明記する必要がある。
 憲法改正案は国民投票にかけられて、過半数の賛成が必要だが、半世紀が経ったにもかかわらず、憲法改正国民投票法がいまだに制定されていない。これは立法府としての国会の怠慢だ。そういう法的な整備をしっかり行ってはじめて九六条が使える。96条に従って日本の憲法の改正が実現できるということだ。

「新憲法案」への問いに答える 主催両団体会長・元防衛庁長官 愛知 和男氏

 昨年の大会で発表した「新憲法案」に様々な反響があった。その中で印象に残ったのは、天皇と国民主権の問題だ。「国民主権」を先に掲げるべきで「天皇」が先なのは古いという意見があった。同案では第一章を「天皇」としていた。順番が違うだけともいえるが、重要な意味を持つ。天皇制を何よりも重要視するのは日本の長い伝統、歴史・文化を象徴するのが天皇制だからだ。
 また道州制の意見が強くあったが、安易な導入はいかがなものか。連邦制へ道を開き、国家として解体する危険性を孕むことも指摘したい。
 さらに、いわゆる首相公選論は国民の象徴である天皇との関係、つまり元首としての問題を考えると、日本にはそぐわないのではないか。同案の「憲法裁判所」と最高裁との関係は検討課題だ。同案で国会は一院制だが、参院の廃止という意味ではなく衆参を一つにする提案と理解されたい。以上、来年の大会では同案の改正案を発表したい。

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