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世界都市TOKYOが日本を支える 24時間空港が絶対必要

思想新聞2001年6月15日号【視点・論点】

 清水馨八郎・千葉大名誉教授

 私は山梨県に生まれ東京に育ち、人生の大半を東京で過ごしてきた。そして都市学者として東京は素晴らしい街だと誇りを持っている。「神は村をつくり、人は町をつくった」という有名な言葉があるが、人間の文明が都市を生み、都市の発展に伴い文明も発展してきた。そして今や東京は日本の首都であるだけでなく世界の都市として発展している。
 1962年に始まった、四度にわたる全国総合開発計画、つまり全総は、どれも東京への一極集中を排して地方を発展させようとしてきたが、一度もその通りにはならなかった。それは東京とは何かを知らないからである。東京をつぶせば全国が発展するというのは誤りなのだ。すべて地方出身の政治家の貧弱な発想にほかならない。
 東京は都民のものだけではない。東京は国民すべてのもので、東京を発展させれば日本も発展する。まさに国家都市なのである。三大都市圏というのは昔の話で、今は東京一大都市圏になっている。むしろ世界都市というのがふさわしい。世界のすべての道は東京に通じるようになったのである。 都心の大改造 では、これからの東京をどのように発展させていけばいいのか。公共投資の見直しが叫ばれているが、何よりも費用対効果の観点から見直すべきである。そして、より高い経済効果が期待できる東京にこそ、投資を集中させなければならない。東京が浮揚すれば、その恩恵を全国が受けるようになるのである。
 まず、世界都市としては24時間空港が絶対的に必要である。成田空港がそうならないのであれば、羽田空港の国際化や第三空港の建設でそれを実現させなければならない。そうでなくても、韓国の仁川国際空の完成で、東アジアのハブ空港は韓国に移ろうとしている。 陸上交通を便利にするには、外環道路を開通させなければならない。住民の反対で頓挫しているところは地下化することで実現の見込みが立った。
 次に、臨海副都心におけるテレポートタウンの完成だ。情報化に対応した副都心を造り、世界都市博で世界に宣伝しようとしたのに青島幸男知事が中止したので、4年遅れてしまった。世界のため、日本のために造ろうとしたのに、都民レベルの判断で足を引っ張ってしまった失敗例として教訓にしなければならない。石原慎太郎知事になって、その構想が徐々に実現されてきているのは喜ばしいことである。 そして、都心の再開発である。都市の本質的機能は都心に集約されている。文字通り、都市の心、精神なのである。具体的には千代田、中央、港の都心三区で、人々がここで密接に交わることにより、情報を交換し、アイデアを生み出す。そのためのインフラとしての都市は、地上と地下の立体構造で、超高層のビル、大深度の構造物を発展させ、高密度に住みながらも快適な環境を実現する必要がある。最近の超高層マンションの建設、人々の都心回帰の現象は、その傾向の確かさを裏付けている。副都心の建設で都心は一つではなくなった。都民の中心は新宿副都心に移り、国民の中心は丸の内、臨海副都心は世界の情報の中心といえる。
 さらに、災害への備えを十分にしなければならない。その際たるものが東京大地震である。世界の人が東京の地震を心配している。東京が潰れると、その被害を受ける人が世界中にいるからだ。「地震は一分、勝負は十分」といわれる。備えがあると、十分間で被害を食い止めることができ、人々を救済することができる。地震は予知よりも、震災の被害を最小限に食い止めることに重点が置かれてきている。そのための工夫がさまざまなされ、建物も耐震構造になっているので、関東大震災のような被害は受けないだろう。当時は何の準備もしていなかった。
 また、地震が起こると消防庁では対応できないので、自衛隊の出動を要請しなければならない。戦車の銀座通りでパレードを許可した石原都知事には、それができる。阪神大震災では、旧社会党の村山富市首相が直ちに自衛隊に出動要請をしなかったので多くの死傷者を出した。まさに人災だ。
 ソフト面では、これからの東京はもっと国際化するであろうから、都民は外国人と一緒に住めるよう、彼らとの生活に慣れていかないといけない。日本人は本来、同化力があるので、これも心配するほどのことはないだろう。
 石原知事は「心の東京革命」を提唱し、家庭の大切さ、しつけの大切さなどを訴えている。都会でなくなりがちなコミュニティーの大切さを見直そうというもので、いわば都市のソフト面の強化である。
 都心居住の最大の課題は快適な住環境の実現である。その知恵は江戸時代のまちづくりに学ぶことができる。あの時代に既にそれを実現していた日本人に、さらに技術が発達した現在において不可能なはずはない。
 アジアや世界の優れた才能が東京に集まり、自由に創造的な活動をすることが、日本を発展させ続ける原動力となるのである。既にそうなっている東京を、さらに快適にする努力を我々はしなければならない。

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