国際勝共連合 機関紙 思想新聞は創刊56年 通巻1896号 (令和8年4月1日)

安倍政権「三本の矢」は防衛政策の歴史的一歩だ

この記事は2013年12月25日に投稿されました。

今後10年程度の外交・安全保障戦略の指針となる初の「国家安全保障戦略(安保戦略)」と、同戦略に基づく「防衛計画の大綱(防衛大綱)」、来年度から5年間の防衛力整備を定める「中期防衛力整備計画(中期防)」が閣議決定された。これらの三つは安倍政権による安全保障版「3本の矢」と言っていい。
 この3本の矢によって、日本の安保政策は戦後の一大転換を果たしたといえる。一部メディアは「憲法の平和主義を逸脱する危険な道」(北海道新聞)などと批判しているが全くの見当違いだ。日本の周辺では一方的に国際社会に挑戦を続ける中国や北朝鮮の危機が増大している。民主党政権時代に何ら有効な対応ができなかったことを考えると、むしろ遅すぎたぐらいだ。

安保戦略に積極的平和主義を明記

「国家安全保障戦略(安保戦略)」は、約10年先を見据えた最上位の戦略文書だ。安倍首相が提唱する「積極的平和主義」が基本理念に据えられている。これと対極の概念が「一国平和主義」だ。
 もはや日本が「一国平和主義」で国防を担うのは限界だ。日本は今やGDPで世界第三位の経済大国だ。これだけの国力を持ちながら「自国の平和だけを守る」という態度では国際社会の理解と協力は得られない。それが国際社会の常識だ。東日本大震災においても、米軍によるトモダチ作戦は、日本人の米軍に対する印象を好意的に変えた。海外の自衛隊に対する印象、日本の印象もしかりだ。
 安保戦略の基本理念には「国際社会の平和と安定、繁栄の確保に積極的に寄与する」と明記されている。大いに評価できる。安保戦略は他にも、平時でも有事でもないグレーゾーンへの対応や、武器輸出三原則の見直しなどにも言及している。いずれも早急に議論されるべき内容だ。

大改革で離島防衛に対応

安保戦略に基づいて改訂されたのが、長期的な防衛力整備に関する基本方針である「防衛計画の大綱(防衛大綱)」だ。今回の一番の特徴は、中国の海洋進出に対応し、最前線の南西諸島の防衛を固める路線を明確にしたことにある。
 日本の南西の島々を守ることは自衛隊にとっても難題だ。現在自衛隊では、離島の守りに必要な水陸両用の作戦を展開できる部隊(海兵隊的機能)は、西部方面普通科連隊の約700人だけ。海上の機動力も足りない。自衛隊は11月、離島防衛の大演習を行ったが、海の移動は民間船にも頼らざるを得なかった。
 昨年12月には中国機が領空侵犯したが、自衛隊はレーダーで捕捉できなかった。海上保安庁巡視船の通報で空自戦闘機が緊急発進(スクランブル)したが、すでに中国機は飛び去っていた。
 これに対して「中期防衛力整備計画(中期防)」では、能力の高い新型の早期警戒機などを4機取得するとした。5年以内に米軍の無人偵察機グローバルホークを導入することも決めた。陸上自衛隊においても、「創設以来の大改革」(産経新聞12月18日)を断行した。離島防衛では出番が限られる重くて運びにくい戦車を大幅に削減し、空輸ができる軌道戦闘車を戦車に変えて配置する。戦車のような火砲を備えながらタイヤで一般道を走行することもできる。今後5年間で99両導入する。
 また、輸送機のオスプレイを5年間で17機導入、水陸両用車も52両購入し、海兵隊的機能を持つ水陸起動団を数千人規模で新たに編成することも決めた。防衛大綱では、これらの陸海空の3自衛隊を一体運用する「統合軌道防衛力」構想が明記された。
 北東アジアの情勢は緊迫かつ複雑化している。その一因は、深刻な情勢を無視して「一国平和主義」に固執し続けてきた日本にもある。「積極的平和主義」を実現するのは今だ。

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