思想新聞1999年11月15日号【主張】
日本赤軍の最高幹部で国際的テロリストの重信房子容疑者が11月8日、大阪で逮捕された。数多くの国際テロを起こし、罪なき多くの市民に犠牲を強いてきた凶悪犯の重信容疑者を徹底追及し、共産主義者集団である日本赤軍を根こそぎ壊滅させねばならない。
テロ集団に妥協せず徹底的な追及を図れ
第一に、日本赤軍は共産主義者集団であるとの認識を国民はしっかりと持つべきである。
日本赤軍は69年に創設された共産主義者同盟赤軍派が母体となっている。赤軍派は国内で過激な闘争を展開する中で、一部幹部は国際拠点づくりをめざして70年に日航機よど号をハイジャックし、北朝鮮に逃げ込んだ。また一部幹部は日本共産党から出た毛沢東主義者が作った日本共産党左派神奈川県委員会の下部組織、京浜安保共闘と合体して連合赤軍を結成し、大量リンチ殺人を繰り広げた末に72年に警官3名を銃殺したあさま山荘事件を引き起こした。
この赤軍派の幹部だったのが重信容疑者である。重信容疑者は71年に革命の拠点を海外につくる「国際拠点地論」を掲げてレバノンに出国して日本赤軍を旗揚げした。それ以降、日本赤軍の最高幹部として72年に100人以上の死傷者を出したテルアビブ空港襲撃事件を起こしたのを手始めに、世界中を震撼させる国際テロを行った。
さらに、75年のクアラルンプール米大使館占拠事件では、日本政府に三菱重工業爆破犯(東アジア反日武装戦線)の佐々木則夫被告らの釈放を要求した。当時の日本政府は要求に屈して佐々木ら爆破犯やあさま山荘事件の殺人犯の板東国男ら五人を「超法規的」に釈放した。
そして、77年には彼ら共産主義テロリストが日航ハイジャック事件を起こし、当時の福田首相が「人命は地球よりも重い」として爆破犯の大道寺あや子や一般殺人犯の泉水博ら6人を釈放、しかも身代金600万ドル(16億円)まで手渡す失態を演じたのである。
第二には、国民はこうした苦々しい経験を忘れることなく、共産テロ集団に対して一切妥協してはならない。
国際社会では「テロへの屈服はテロを奨励するだけである。再発防止にはテロリストに絶対妥協しないこと」との鉄則があることを認識しなければならない。日本政府は「人命尊重」の美名のもとで日本赤軍に屈服しかえって多くの人命を失う悲劇をもたらした。日本赤軍はハイジャックで得た新たなテロリストと資金を戦力に86年にはジャカルタ事件、87年にはローマ事件、88年にはナポリ事件など次々とテロ事件を引き起こしていったのである。
その結果、世界中から日本は非難されたのである。多くの国は犠牲を越えてテロと果然と戦ってきた。たとえば、78年にはイタリアでモロ前首相が「赤い旅団」に誘拐され、あるいは西ドイツで経団連会長が誘拐されたが、両国ともテロリストと一切妥協しなかった。それによって人質は抹殺されたが、この犠牲者を礎にして共産テロ組織を徹底的に追い込み、ついには組織を根こそぎ壊滅させたのである。
今、テロ組織に一切妥協しないということは、捜査当局が重信追及の手をゆるめず、帰国した目的や支援組織などを徹底的に洗い出し、法の裁きを受けさせ、あらゆる方法で組織壊滅をはかることである。
日本赤軍は行き場を失って日本侵入を画策しているとされる。それは北朝鮮のハイジャック犯もそうで日本赤軍残党グループはそろって日本をめざしている。
中東を拠点として重信と北朝鮮のグループは欧州でしばしば会っていたと伝えられている。北朝鮮スパイが関西を有力拠点にしていたが、重信らと連携していないのか、捜査当局は解明を急ぐべきである。
重信容疑者が偽装パスポートをどのように入手し、誰の支援で北京を拠点としていたのか、その背後に北朝鮮が動いていないのかも徹底追及すべきだ。
忘れてはならないのは、日本赤軍が軍事組織であるということである。最高決定機関の「政治委員会」や「軍事委員会」「組織委員会」などを持ち、重信容疑者は政治委員で最高幹部だったが、「軍事委員会」の指揮官とされる奥平純三や板東国男、佐々木則夫、大道寺あや子など凶悪な爆破犯や殺人凶悪犯ら有力メンバーは依然として行方不明である。
彼らはどこにいて何を狙っているのか、決して警戒を怠ってはならない。ペルーで行き場を失った毛沢東主義ゲリラの「トゥパク・アマル革命運動」が日本大使公邸人質事件を起こしたように、追いつめられた日本赤軍がテロに打って出る可能性がある。
いずれにしても、日本赤軍は冷戦の過去の遺物でなく現実に生きて存在している共産テロ集団であるとの認識を明確にし、壊滅への戦いを進めなくてはならない。


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