思想新聞2003年3月1日【1面TOP】
日韓米結束で東アジアに平和を
日本はいま、歴史的変革期に直面している。それは明治維新、敗戦に継ぐ第三の改革と称されている。折しもイラク問題と並んで韓半島が世界の平和と安全の最大課題となっており、これにどう対応するか日本は大きな岐路に立たされている。この危機を克服して東アジアの平和を確立するには日韓米の結束が不可欠である同時に、有事立法、スパイ防止法を早期に制定し、わが国が安全保障に確固たる決意と体制で臨もうとするシグナルを世界に発信しなければならない。それには2003年政治決戦を勝利し、国内に巣くう共産主義を一掃していかねばならない。そしてわが国の伝統的基盤を守り、道義国家として再生すべく、家庭を強化し、教育基本法改正などの教育改革を断行し、青少年の健全育成を図り、未来の日本を切り開いていく必要がある。この課題を見据えて本連合は平成15年の運動方針を据え、国民運動を展開していく。
有事法、スパイ防止法制定が急務
なぜ日韓米の結束が必要か

冷戦後の世界で米国のみ超大国として大きな影響力を有し、一国単独主義との批判が少なからずある。イラク問題をめぐりそうした論議が噴出している。だが現在、真に世界平和に責任を持とうとする国が、同国以外に存在するだろうか。米国を除けば一国たりともないのが現実なのである。
米軍がイラク周辺から撤退すれば仏独が主張する「査察継続」は可能か。ノーである。米軍がアフガニスタンに入らなければ暫定政権は樹立されたか。ノーだ。米軍が東アジアから撤退すれば北朝鮮は核・ミサイル開発を放棄するか。否である。この冷徹な現実を見据えなくてはならない。
むろん、米国とて「国益」を追求していることは間違いない。しかし、その「国益」とは自国を利するだけではもたらされないことを米国自身が自覚している。宗教・言論の自由、民主主義、市場経済を基本とする自由諸国との同盟と連帯によってのみ、米国の「国益」がもたらされるのだ。
情報や経済、人や文化が国境を越え世界中を巡っている今日、地球家族を形成していく中でのみ、世界の国々の平和と安全、繁栄が可能なのだ。
だから東アジア情勢にどう対応すべきか、自ずから答は決まっている。この地域で自由と民主主義、市場経済を共有するのは日本と韓国、米国の三国だけであり、在日・在韓米軍の抑止力により平和と安全を確保し繁栄を謳(おう)歌している。
対北朝鮮政策は日韓米の結束によってのみ有効性が発揮されることを忘れてはならない。
なぜ有事・スパイ防止法必要か
有事法は国家の基本の法であり、国民の生命・財産や国土を守るために何よりも真っ先に整備しておくべきもので、それは立法府の第一義的な責務である。国際情勢に関わりなく、国家が存在する以上、制定しておくべきものである。にもかかわらず、わが国は有事法の制定を怠ってきた。
そうした中、北朝鮮は核拡散防止条約から脱退し核開発を再開させ、ミサイル発射実験も強行する姿勢を強め、東アジア情勢はにわかに緊迫してきた。情勢いかんでは北朝鮮が工作船活動などの対日工作を活発化させ、最悪の事態すなわち有事すら起こりかねない。
もはや有事法整備は待ったなしである。政府は緊急事態として「大規模なテロリズムの発生」や「武装した不審船の出現」を設け、テロや工作船にも対応できる有事法案修正案を国会に提出し、新たに国民保護法案の制定を目指している。これらは今通常国会で早急に成立しなければならない。
しかし、有事関連法整備だけでは有事への態勢は盤石にならない。何よりも抜け落ちているのはスパイ防止法である。
わが国は「スパイ天国」と言われて久しい。防衛、外交、政治など重要な国の命運を握る国家機密を外国のスパイが盗み出しても取り締まる法律が存在しない。国際テロ集団がテロ目的で国家機密に関わる情報を盗み出しても取り締まれない。拉致を許したのもスパイ防止法がなかったからだ。
だから戦争やテロ、拉致から国民を守ろうとすれば、スパイ防止法を制定せざるを得ないはずだ。ところが共産党や社民党、朝日新聞などの左翼勢力は北朝鮮の拉致を非難しながら、肝心のスパイ防止法には反対を唱え続ける。いかに国民を欺いているか明白だ。
政府は3月末の情報収集衛星(偵察衛星)打ち上げにより、独自に入手できなかった北朝鮮軍事施設の整備状況等の情報収集が可能となる。
ここで留意すべきは、情報は収集のみならずその的確な分析、保管をもって真の情報たり得るということだ。情報が「敵」に筒抜けでは、その情報は直ちに修正され偽情報になるのが情報戦の常だからだ。情報の保管すなわち国家機密保護(スパイ防止)なくして情報は生かされないのである。
有事法整備でも情報が最も大きな課題となる。「敵」がいつ、どこで、どのような手段を使って有事を起こすのか、その情報なくして有事態勢が築けるわけがない。だから情報は国家の安全保障の命運を握っている。こうした常識にしたがえば、スパイ防止法のない日本は国家の体をなしていないといえよう。
北朝鮮問題が国民的関心事となっているのは、まさに戦後ボケ日本を変革させる「天佑」といえる。この機会を逃して日本を変える時はない。その自覚を国民はもつべきだろう。
2003政治決戦地域から共産主義一掃を家庭強化、教育基本法改正が急務
なぜ政治決戦勝利が必要か
今年は「政治決戦の年」と位置付けられている。
第一には4年の一度の統一地方選挙の年であり、第二には解散・総選挙が予想され、21世紀初頭の日本の政治的方向性に大きな影響を与えると見られているからである。
統一地方選挙の焦点は、地域社会から共産主義勢力を一掃できる否かにかかっている。とりわけ、共産主義勢力の中核となっている共産党をどこまで封じ込めることができるかがポイントになるだろう。
共産党の地方議員数は都道府県議が175人、政令市議が128人、区議が162人、一般市議が1750人、町村議が2169人で、合計4375人(1月末現在)。4年前の99年の統一地方選挙で4400人を突破し「党史上最高の峰」に至ったのに比較するとわずかに減っている。だが、政党別では相変わらず第一党の高水準を保っている。
一方、共産党が与党の自治体は102。うち単独与党は61、党員首長は1人。90年代後半には120台だったので革新自治体も減ってきているが、党員首長が倍増しているのが特徴だ。
とくに共産党は政治・政党不信層を取り込もうと「無党派の人々と日本共産党の共同の探求」(第5回中央委員会総会での志位委員長報告=02年12月3日)との作戦に出ている。
これは徳島県や長野県、高知県などで他党支持候補に無党派候補が打ち勝った経験から、共産党が無党派候補に便乗して与党化を目指すものだ。昨年9月には福島県桑折町と長野県塩尻市、11月には熊本市、兵庫県尼崎市、長野県箕輪町、福島県川俣町で共産党が無党派と共同して支援した候補が自民・公明連合などの候補を破って当選を果たした。
共産党はこうした手法を全国化する試金石が今年の統一地方選と位置付けている。与党化するためには時には自民党とも組んでおり、今年2月には小沢自由党党首の基盤である岩手県陸前高田市で党員候補が自民党の支持を得て当選、話題をさらった。
現在、全国の市町村は合併問題で揺れているが、合併反対を唱える共産党はここでも合併反対派との共同によって勢力拡大ができると目論んでいる。昨年11月の全国町村長大会で「市町村合併の強制に反対」「小規模市町村の切り捨て絶対反対」といった「緊急重点決議」が全会一致で決定されたことを共産党は高く評価し、これを無党派の住民運動を装って浸透を図っている。
今回の統一地方選挙では「オール与党」体制が目立ち、選挙戦も盛り上がりに欠け、政治不信層が拡大している。政治不信層のうちラジカルな不信層は「既成政党にお灸を据える」という立場から共産党に投票する傾向が見られ、それが九〇年代後半の共産党躍進ブームを呼び起こしたとされる。共産党は今年の統一地方選でその再来を狙っているのだ。
地域社会で共産党の勢力拡大を許せば、地域から唯物思想が浸透し伝統文化が破壊されるばかりか、それが国政レベルの政治決戦に波及し、有事・スパイ防止法反対、教育改革反対勢力を国会で増加させ、日本の変革は棚上げとなってしまうだろう。
こうした勢力の拡大を、断じて許してはならない。2003政治決戦は、日本の進路を決する岐路となるのだ。
■なぜ家庭強化、教育改革必要か

現在、わが国は戦後の個人主義偏重を容認し続けるか、それとも家庭基盤を強化し伝統文化を相続できるか、まさに分水嶺に立っている。
わが国の離婚は昨年、過去最高の29万2千組を数え、千人当たりの離婚率はついにフランスを上回って2.31となった(厚生労働省02年人口動態統計)。子供たちの精神的拠り所である家庭が崩壊しつつあり、それと正比例して少年非行が激増、「戦後第4ピーク」に差し掛かっている。
刑法犯の全検挙者の46%が少年である。1千人当たりの検挙者数で見ると、成人の1.8人に対して少年は15人、成人の8倍以上も検挙者数が多い。路上強盗やひったくりなどの街頭犯罪では実に検挙者の7割近くが少年だった。
昨年1月、東京都東村山市で中学生5人と高校生2人がホームレスの男性に暴行を加えて死亡させる事件が起こったり、8月には岩手県前沢町で15歳の孫が祖父母を誘拐しようと襲って重傷を負わせ、10月には愛知県春日井市の県立児童自立支援施設で園生の少年4人が職員を殺害した事件が起こるなど、少年犯罪は無軌道ぶりを拡大させている。
少年の性倫理は崩壊している。東京都幼稚園・小・中・高等学校性教育研究会の昨年1月調査(都内の男女約3千人の高校生)では性交経験率が高3男子で37.3%、高3女子で45.6%にのぼっており、84年調査の男子22%、女子12%に比較してその拡大ぶりが著しい。厚生労働省の調べによると、少女(20歳未満)の人工妊娠中絶数は約4万6千件で20年前の2倍に激増(01年)。こうした性倫理の崩壊現象は「援助交際」なる少女売春も急増させた。
家庭崩壊がこうした少年の悲惨な実態をもたらしているのである。
一方、教育の荒廃も著しい。01年度の不登校の小中学生は調査開始(91年度)以来10年連続で過去最高を更新し、10年前から倍増して13万9千人に上っている(文部科学省学校基本調査)。昨年4月から全国の小中学校で完全5日制が始まり「ゆとり教育」がスタートした。これに伴って、学力低下は目を覆うばかりになった。「学級崩壊」が言われて久しいが、いまや「学校崩壊」の様相を示している。いじめもより陰湿化し、教育の現場は国民が想像する以上に悪化している。
そこで中央教育審議会(中教審)は教育基本法を見直す最終報告を近く提出する。教育基本法改正は今国会で必ず実現させねばならない。改正を通じて「為に生きる精神」を培い、個人の価値や利益を越えた「公益」や「全体の価値」すなわち、共同体としての国民的一体感(ナショナル・アイデンティティ)の養成を図り、歴史や文化、伝統、郷土愛や愛国心を子どもたちに育んでいかねばならない。
また、教育基本法改正で家庭の基本的理念を提示し、宗教的情操教育をもって生命の根源に対する畏敬の念を培い、真の道徳教育を行うようにしなければならない。
さらに、国の教育権を確立し、日教組をはじめとする左翼教師の唯物論・革命教育を一掃しなければならない。
共産主義者は青少年の堕落を誘うべく過激な性教育論を学校に持ち込んでいるばかりか、はき違えた「男女共同参画」論によって伝統的な家庭観と男女観潰しに躍起となり、さらには税制や社会保障政策にも介入し、家庭の絆を崩壊させる方向で徘徊している。
こうした共産主義の浸透、策動を阻止し、青少年の健全育成を通じて、祖国日本に未来を切り拓いていかねばならない。


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