国際勝共連合 機関紙 思想新聞は創刊56年 通巻1896号 (令和8年4月1日)

平成15年 新春のご祝詞

思想新聞2003年1月1日号

 

世界平和連合・国際勝共連合 会長 

 謹んで新年のご祝詞を申し上げます。昨年中は各種講演会やセミナー、さらに機関紙誌を通じての教育宣伝活動など、多くの活動を展開してまいりました。皆様のご協力に対し、心より御礼申し上げます。
 昨年に起きた国内外の諸事件を通じて、今はすべてをあからさまにして清算すべきときであることを実感するものでございます。そしてその延長線上にある今年平成15年は、間違いなく「大変」な年になるでありましょう。
不況下の国内経済において、本格的不良債権処理が始まり、中小企業は当然ながら大企業、金融機関にとっても試練の日々がつづきます。政治においても、4月には統一地方選挙が行われ、さらに解散総選挙の可能性も叫ばれております。
 そして、何よりも今年はイラク・北朝鮮になんらかの変化がおこる年であり、結果としてわが国に重大な影響がもたらされることは必至でございます。とりわけ北朝鮮問題は深刻であります。核開発の表明(昨年10月)、核関連施設の凍結解除宣言(12月)と、緊張は高まる一方でございます。
 今日の「変化」は「米国の論理」に裏付けられた力が一つの要因であるといえましょう。それは佐伯啓思氏(京都大学大学院教授)が指摘するように、冷戦終焉後の世界を分析する二つの視点に立つものであり、一つはフランシス・フクヤマ氏の「歴史の終焉」論を基礎におく「自由と民主主義」を歴史の最終段階とする視点。もう一つはハンチントン氏の「文明の衝突」論の視点に立つものであります。テロは断じて許すことのできないものであります。しかし、「文明」対「野蛮」(フクヤマ氏)と「文明の衝突」(ハンチントン氏)を重ねれば、(先進的)文明による野蛮(な文明)の解放ということになり、新たな冷戦構造を生むことになりかねません。
 東アジアの未来においても新たな衝突の構造が予想されます。中華人民共和国は昨年11月、第16回共産党大会において重大な党規約改正を行いました。「労働者階級の前衛隊」に「中国人民と中華民族の前衛隊」との文言が付加されるなど、脱イデオロギーと「中華文明」の自覚が明確になりつつあるのです。「米中衝突」のマグマは、米国の「対テロ戦争」の「地下」で徐々に膨れ、熱を帯びているといえましょう。
 変化は跳躍の時でもあります。それを決定づけるものがビジョンでありましょう。それは東アジア共同体構想であり、鍵を握るのは韓半島であることを強調したいと思います。当面の危機としての北朝鮮問題は、日韓米の結束を中心に国際社会が一致して対応する以外にございません。重要なポイントは単なる圧力だけはなく、それが、米、ロ、中、日、韓、北朝鮮を含む「東アジア共同体構想」、即ち安全保障と経済システムを含む未来のビジョン=文明の衝突を超えるビジョンを背景にした説得的圧力でなければならないという点にあると考えます。そこにおける日本の役割はきわめて大きなものとなるでしょう。
 今年は「大変」な年になります。危機を飛躍の機会とするためにはビジョン、世界観がなければならなりません。今年も各種の活動を通じて平和実現のビジョンと理念を啓蒙しながら、真の道義国家日本の創建を目指し全力を投入してまいります。なにとぞ旧年に倍する皆様のご指導ご鞭撻を心よりお願い申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。

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