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共産党四中総 政治不信追い風に党勢挽回狙う

思想新聞2002年6月15日号【ニューススコープ゚】


支部活動軸に臨戦態勢

 日本共産党は6月5日から2日間にわたって東京・代々木の党本部で第四回中央委員会総会(四中総)を開いた。議題の中心は選挙に勝つための強い党建設。志位委員長―市田書記長体制がスタートして1年半が経過したが、この間、党勢は低迷し90年代後半の上昇機運は完全に萎えてしまった。今回の四中総の開催は党勢の挽回が最大の目的で、小泉内閣の支持率低下を追い風に解散総選挙、来年4月の統一地方選挙への体制づくりの号令を発した。だが四中総では一時期、取りざたされた党綱領の改正は話題にもならず、柔軟路線が党勢拡大用の「微笑」にすぎないことを見せつけた。ムネオ疑惑などの「敵失」のお陰で党員数・機関紙数とも若干持ち直し、有事法案批判などで息を吹き返しているのも事実。共産党の動向に監視の目が必要だ。 今回の四中総は、昨年夏の東京都議選と参院選で露わになった党勢後退の立て直しが主要テーマ。
 志位和夫委員長や市田忠義書記局長らの報告によると、昨年11月から今年4月までの「大運動」の結果、党員拡大では1万数千人が新たに入党し「40万の党」に到達、機関紙「しんぶん赤旗」は3万部が純増し「190万台強」にまで回復した。
 党員数は90年7月の第19回党大会時に「50万人に近い」(実数は48万4千人と見られる)ところまで増加したが、94年の第20回党大会時には36万人弱にまで後退、その後の政治不信・共産党ブームに乗って再び上昇し、今回の「大運動」で再び40万人台(40万2252人)に回復したとしている。
 一方、「赤旗」(日刊紙・日曜版)は80年の第15回党大会時の355万部がピークで、その後は長期低落を続け、半減するほど落ち込んできた。最近の2回の「大運動」(99年7月~12月、2000年7月~11月)でも読者拡大は後退。それが今回の「大運動」で3万人の純増をはかったことで四中総では志位委員長は「全党の奮闘によって開いた貴重な成果」と自負した。だが、70年代後半から80年代までは3百万台を誇っていただけに「190万台」で党勢が挽回したと胸を張れる状況ではない。
 志位委員長の幹部会報告によると、「大運動」を通じて約3割の支部が新たな党員を拡大、72%の支部が読者を増加させたとしているが、逆にいうと7割の支部で党員増ができず、3割の支部で部数が伸びなかったことになる。
 共産党にとってもっと深刻なのが地方選での後退だ。志位委員長によると、三中総以後、146の自治体で定例中間選挙が行われたが、そのうち前回比での議席増は13議席、議席減は32議席、差し引き19議席減となっている。そのほかに補欠選挙での当選が18議席あるものの、前回比で得票を増やした選挙が31%だったの対して減らした選挙が69%にのぼっている。
 しかし議席数は依然として高水準を保っている。四中総開催時点の地方議員数は4402人。3年前の99年4月の統一地方選挙では284議席を増やし4413議席を獲得したので、3年間で議員数は微減の11人減にとどめている。
共産党は98年参院選では得票数819万、得票率14.6%という史上最大の党勢を得たが、01年参院選では430万、8%に凋落した。01年並みの支持率では来年4月の統一地方選挙での惨敗は必至で、それだけ「大運動」に拍車がかかったわけだ。
 共産党にとって追い風なのはムネオ疑惑などの政治不信と小泉内閣の支持率低迷である。90年代後半の共産党ブームは政治不信と自民党支持率低下を背景に、穏健な批判票が棄権、ラジカルな批判票が共産党に投じられるという「棄権プラス共産党躍進」現象の結果だったからだ。ムネオ疑惑と小泉人気の失速で同じ構図が生まれてくると当然、批判票は大挙、共産党に回ることも予想される。
 志位委員長は四中総の報告で「勝利・前進を勝ち取った優れた経験もある。定数削減のもと前回水準の得票をえて6人全員勝利を勝ち取った大阪・河内長野市議選、得票を前回比で約1.5倍に伸ばして議席を 1議席から2議席に倍増させた大分・臼杵市議選などは、学ぶべき多くの教訓がある。首長選挙でも、秋田県湯沢市で共産党員市長が誕生したこと、徳島県知事選挙でわが党も推薦した民主的候補が勝利したことなど、特筆すべき成果もある」と強調している。
 しかし、志位委員長は「今、行われている選挙は、4年前、90年代後半の躍進の時期の改選にあたるものだが、わが党の勢いはこの時期の躍進を作り出した勢いにまだ及んでいない」との認識を示し、4年前に比べて読者数が87%、得票が91%の水準にとどまっていると述べている。
 そこで四中総では総選挙・統一地方選挙での躍進めざして「強大な党」づくりを目指すことを確認し、「支部活動」と「青年・学生獲得」を組織活動の中心に据えることを決めた。
 共産党にとって支部はかつて「細胞」と呼んだ基礎組織で、80年代の「赤旗」拡大では町丁目作戦と称して地域浸透を図る原動力となった。前回の三中総では「戦いの組織者に」のスローガンのもとに支部活動を重視し、雇用、社会保障、平和問題から身近な日常要求の問題まで支部を基礎にした要求実現の取り組みを求めた。
 とくに「週1回の支部会議」を軸にした「温かい人間集団としての支部」づくりを強調。志位委員長によると、「大運動」期間を通じて「週一回の支部会議」に取り組んでいる支部は18.7%から23.7%へと5%増加、「『双方向・循環型』の精神でお互いに学びあいながら運動を発展させたことも、今回の『大運動』の新しい特徴」(幹部会報告)としている。
 だが、「民主集中制を組織原則とする」(党規約三条)という硬直した党体質は何ら変わっていない。第22回党大会では党綱領の見直しを示唆したが、今回の四中総では誰もこれに触れずマルクス・レーニン主義の党が不変であることを見せつけた。だから青年・学生党員は一向に増えない。「20歳代の党員は数%しかいない」(党幹部=産経6月7日)という党員高齢化は党の硬直路線のたまものである。来年の統一地方選挙での候補者擁立は目標の約4割にとどまっており、候補者を乱立させてきた共産党も人材難から壁にぶつかっている。
 共産党が伸びる余地があるのは「敵失」だけだ。その意味で一連の自民党の不祥事は共産党にとって格好のエサになっている。小泉人気が凋落すれば、その分、共産党が息が吹き返すと見ておかねばならない。

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