国際勝共連合 機関紙 思想新聞は創刊56年 通巻1896号 (令和8年4月1日)

メガネに適わぬ情報は見出し印象でニュース価値下げる東京新聞の情報操作

思想新聞2003年12月15日号【マスコミ論壇ウオッチング】

 イラクで殺害された奥克彦大使と井ノ上正盛一等書記官の悲劇は、わが国の国論を二分する様相をみせている。これまでと同様に、朝日・テレ朝、毎日・TBSは反政権与党側に、産経・フジと読売・日テレは親政権与党という立場に立ち、その中間に日経・テレビ東京というスタンスで、自衛隊のイラク派遣問題についてその立場を際立たせている。
 ところで、東京には名古屋、中部地方で広く購読されている有力ブロック紙「中日新聞」の東京版ともいうべき「東京新聞」が発行されている。この新聞のユニークなところは、東京発行の五紙がほとんど載せない、有力通信社、共同通信社の記事が掲載されることである。外交官殺害後の左派系メディアの報道によれば、今や自衛隊のイラク派遣に国民の七~八割が反対しているという。
 ところが、12月5日付の「東京」朝刊によれば、共同通信社が12月3~4日の両日行った電話世論調査で、「自衛隊は派遣すべきでない」と答えたのは全体の三分の一の33.7%、これに対し、「早期に派遣すべき」が7.5%、「派遣すべきだが、時期は慎重に」と答えたのが56.3%に達し、積極・慎重の両者を合わせると、63.8%、国民の約三分の二が、「自衛隊を派遣」を基本的には支持しているという調査結果なのである。
「東京」はどちらかといえば、イラク問題について毎日・朝日に近い立場をとってきたが、そのためか、今回の世論調査の記事掲載にあたって巧妙とも言える配慮を施しているのである。それは、この世論調査の記事に「『時期慎重に』56%」という見出しをつけて、その前提としての「派遣すべきだが」という大前提が除かれているということである。国民の確固たる意志が表れた調査結果はスクープともいえるのだが、これは社論に反する結果であれば、見出しで印象を変化させ、ニュース価値を下げるという、“洗練された”かたちでの21世紀版の情報操作の典型例と言えるのではないか。

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