国際勝共連合 機関紙 思想新聞は創刊56年 通巻1896号 (令和8年4月1日)

小泉政権 挙党一致で「戦後政治」総決算を

思想新聞2003年10月1日号【1面TOP】

「再生日本」は憲法改正から教育の構造改革にも踏み出せ

 小泉純一郎首相は自民党総裁選で再選され、党執行部人事と改造内閣を断行、新たな布陣で衆議院の10月解散、11月投票に臨むことになる。小泉政権は歴史的使命を担っている。それは長年、わが国の政治の足かせとなってきた「戦後政治」を総決算して、21世紀の日本の「国のかたち」を明確にすることだ。その集大成が憲法改正となる。小泉首相は自民党結党50年の2005年に党の憲法改正案をまとめるとしている。05年までに改憲国民投票が行えるように直ちに改正案づくりに着手すべきだろう。また改憲以前にもやるべきことが多々ある。集団的自衛権行使を決断し国際貢献国家として国家再生を図ることや国家百年の大計である教育の改革を断行して道義国家の基礎を固めることがそれである。自民党は挙党体制で改憲モードに切り替え、国家再生に本格的スタートを切らねばならない。

 自民党総裁選は9月20日に行われ、小泉首相が第一回投票で約6割の票を獲得して亀井静香前政調会長ら三候補を破って再選された。これを受けて小泉首相は党執行部を一新、幹事長には阿倍晋三官房副長官を抜擢。内閣改造では去就が注目された竹中平蔵経済財政・金融相を留任させ、さらに石原伸晃行革担当相を国土交通相に起用するなど「構造改革路線内閣」を重視する布陣をしいた。
 これで11月に予定されている総選挙に臨む体制が整ったといえる。自民党総裁任期が3年なので、総選挙に勝利すれば06年まで政権担当することになる。それだけに小泉政権の日本再生への責任は大きいといえよう。

■安倍幹事長の歴史的な使命

 小泉首相の安倍幹事長起用は歓迎すべきことだ。それは自民党再生への象徴となるからだ。当選3回・閣僚経験なし・49歳という自民党にとっては異例の幹事長就任は、同党の派閥政治の終焉を意味している。従来の自民党政治は派閥・族議員による官主導の政治によって利権集団的体質から脱皮することができなかった。安倍幹事長人事はこの派閥政治に風穴を開け「(従来の)自民党を壊す」一歩となる。
 さらに安倍幹事長は自民党が立党の原点に立ち返ることを象徴している。自民党は自主憲法制定を党是として結党されたが、その主導者が安倍氏の祖父・岸信介元総理だった。岸信介―福田赳夫、そして安倍氏の父の安倍晋太郎元外相へと引き継がれてきた自主憲法制定の悲願を小泉政権もまた継承しなければならない。安倍氏は幹事長として党を改憲集団へと引っ張っていく使命がある。
 すでに小泉首相は党に対して、05年の自民党結党50周年までに自主憲法案をまとめるよう指示している。9月21日の内閣改造後の記者会見で、小泉首相は野党にも対案を提示することを求め、国民的議論を経て、国会で三分の二以上の支持を得て提出できるようにすべきと言明した。ただし、それには3年以上が必要とし任期中に政治日程に乗せる考えはないとしている。
 しかし、やる気さえあれば改憲論議に3年はいらない。安倍幹事長は党内論議を急ぎ、早急に改憲案をまとめ野党に改憲論議を挑むべきである。改憲は安倍幹事長に託された歴史的な使命である。

■集団的自衛権政府解釈変更を

 小泉改造内閣が掲げる構造改革は、道路公団や郵政三事業の民営化に焦点が当てられているが、もう少し広い視点で見れば構造改革も「戦後政治」の総決算を意味していることは明らかなところだ。
 「戦後体制」を財政面で見れば、官主導の中央集権政治を指す。郵政三事業による「もう一つの予算」を道路公団に象徴される特殊法人などの「もう一つの官」に注ぎ込みインフラ作りにいそしんできたのが戦後政治だ。これは戦後復興には適した手法だったが、もはや時代遅れで、それが逆に国家硬直化をもたらしている。小泉改革はそこにメスを入れる。時代に応じた行政システムに転換させるのが政治の責任であり、したがって小泉改革は支持され、かつ断行されるべきといえる。
 だが、「戦後政治」はそれだけではない。今臨時国会の焦点となるテロ特措法でも明らかなように、わが国が国際的な対テロ戦に貢献しようとしても現行体制では無理が生じている。集団的自衛権行使を認めていないために、インド洋における他国艦船への給油支援をいちいち戦闘中でないことを確認して行わなくてはならないなど、意味のない制約下に置かれている。「戦後体制」が国際貢献の足かせとなっているのだ。
 また、アフガニスタンではテロ特措法、イラクではイラク特措法といった具合にそれぞれに立法が迫られ、迅速な国際貢献もできない有様だ。しかもイラク特措法では自衛隊の武器使用に「憲法上の制約」をはめている。国連は国際的に「武器使用基準」を定めているが、それを自衛隊が採用すると憲法九条違反が問われるというお粗末さである。イラク復興支援がイラク国民から切望されているのに憲法の規定による「身の安全」を理由に派遣を渋る醜態を日本は世界にさらしているのだ。
 この改正は改憲しなくても政府の憲法解釈を変更するだけで可能である。小泉首相は改憲案づくりと並行して政府解釈の改革を断行すべきである。

■教育基本法改正は焦眉の急だ


 小泉政権は「戦後政治」の総決算を財政・経済面に限定すべきではない。最も重要なのは国家百年の大計である「教育の構造改革」である。
 その焦点は教育基本法の改正である。中央教育審議会は3月20日、教育基本法の抜本改正を求める最終答申を遠山敦子前文科相に提出している。同答申は教育の基本理念として「国を愛する心」や「社会の形成に主体的に参加する『公共』の精神」などを新たに盛り込むとしている。この中にはジェンダーフリーを容認するかのような一文も含まれておりこの是正は必要だが、教育基本法改正で徳育再生を図ろうとする狙いは正しい。
 日本再生には教育改革が不可欠である。小泉改造内閣は教育基本法改正案を早急に国民に提示し国会上程を目指すべきだ。
 
●写真=総裁選圧勝で再選した小泉首相と握手を交わし挙党体制をアピールする候補者たち(9月20日、東京・永田町の自民党本部=産経)

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