思想新聞2003年8月1日号【国際会議】

世界平和連合(FWP)の文鮮明総裁が提唱し、国境や人種・民族・宗教などの壁を超え「地球規模の心情文化世界の建設」を謳った「世界文化体育大典」(WCSF2003)が、さる7月10日から13日にかけ、韓国・ソウルの南100キロに位置する忠清南道の天安と牙山両市で開催された。
10日の開会式は天安市の柳寛順体育館で、世界各国の現元職国家元首、宗教指導者、有識者をはじめ約6500人が参加。また同日夕には牙山市内のホテルで「世界平和国際会議」歓迎晩餐会が行われ、同市の鮮文大学では、「世界平和文化のための新しいリーダーシップとガバナンス」を共通テーマに「国際平和会議アセンブリ2003」が開催された。「世界平和のための超宗教サミット」や、韓半島の核危機や中東平和に対する革新的なアプローチ、国連の将来とグローバル・ガバナンス、家庭と人格教育などについての活発な討議が交わされた。
開会式では、80カ国からの参加者らが宗教別に10チームを組み、宗教対抗でスポーツ競技も行われた。米国のスターリングス大主教の祈祷に続き、郭錠煥WCSF組織委員長の開会辞、文顕進世界CARP会長が選手宣誓を受け、沈大平・忠清南道知事、ロドリコ・カラソ元コスタリカ大統領が祝辞を述べた。
花束を受けた文総裁は基調演説で、「宗教の重要な使命の一つは人間に霊界についての正しい内容を教育すること。人間が神と霊界について確実に知れば確信と希望の中で責任を果たしながら完全になる」と強調した。さらに「戦争とテロと核兵器の脅威から自由な国は一つもない。指導者は世界平和の基盤として、宗教間の調和・協力が必要だとして一致、9・11テロ以降は一層そうなった」とし、「宗教間の和解・協力は世界平和の前提条件。WCSFの主要行事は、宗教間の和合を恒久的に実現しようとするもの」と意義を強調した。また今秋の国連総会で、国連に宗教指導者による上院として「超宗教議会」を具体的に設置する提案を行うと表明。
世界平和超宗教超国家連合(IIFWP)が主催するアセンブリ2003の11日の第4分科会では、カラソ元大統領を議長に「韓半島の平和」を討議。カリフォルニア州立大バークレー校・韓国研究センターのトニー南宮・客員教授は、北朝鮮の核問題をめぐる多国間協議について、特定問題で米朝二国協議の開催を認める形で南北と米中の四カ国協議、もしくは日本を加えた5カ国協議が開催されるとの楽観論を提示。一方T・サベージ慶南大東アジア研究所客員研究員は、北朝鮮の核開発は中国にとっても国益に反すると指摘。質疑応答でイム・ヨンスン成均館大大学院長は「北朝鮮は核を放棄するか」との質問に、「経済支援や体制保障など見返りの価値が上がれば放棄の可能性はある」と述べた。
12日には「宗教はいかに平和をもたらしうるか」をテーマとした超宗教サミット会議で、各宗教の代表者が討議。フィリピンのリリアン・クラミング・マリーヒル工科大教授の司会で10人が意見を表明。宗派間紛争など、宗教が否定的に働く現実を直視する意見もあったが、政治・外交での国際紛争解決の限界も指摘され、宗教間対話・協力で問題が解決され、「宗教が紛争解決の最後の手段」だと強調された。
この後、4分科会に分かれ討論が行われた。「国連の将来とグローバルガバナンス」がテーマの第1分科会では、文総裁が提唱した国連に上院として超宗教議会を設置する構想について集中討議が行われ、今秋の第58回国連総会での提案に向け、各国代表から活発な意見が出された。
第2分科会の「中東平和への革新的アプローチ」では、イスラエルとパレスチナの対立解消へ向け、活発な意見交換が行われた。第四分科会「韓半島の核危機に対する革新的アプローチ」では北朝鮮の核問題解決に向けた対応策、特にロシア、日本の対応について意見が出された。
同日夕刻から世界各地のIIFWPの活動報告と将来への展望が各国代表によって討議された。
「中東和平のための革新的アプローチ」というテーマ討議では、活発な意見交換がなされた。イスラエルのモアファ・タリフ氏は「怒りと憎悪に満ちたアラブ・ユダヤ関係を終わらせ、和解させるには互いの習慣・伝統を理解し愛し合う。その努力で平和文化が実現できる」と語った。ヨルダンのイナム・アル・ムフィ元社会開発大臣は国を失い、貧困にあえぐパレスチナ人の現状を説明。問題解決のために「敵を愛する思想を持ち、過去を忘れるのではなく許しあうべきだ」と強調した。
アセンブリ2003は13日、閉会式を開き、決議に先立ち2日間にわたる講演と意見交換が続いた分科会の報告がなされた。グリーン元ガイアナ首相が読み上げた決議文は、「国連に超宗教議会を設立する意義は、戦争禍から後孫を守る国連の使命を実現すること」として「世界平和実現のビジョンと解決法を各参加者が国家的指導者に伝え、支援を求めることを促進する」と強調したもので、各国で積極的運動を展開する道が拓かれた。3日間の日程で開催され、71カ国・地域から約250人の宗教家、政治家、学者などが集まった同会議は、同決議文を採択し閉幕した。


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