国際勝共連合 機関紙 思想新聞は創刊56年 最新の主張はこちらから

共産党綱領 改定案革命政党は不変 天皇制破棄の「人民共和国」めざす

思想新聞2003年7月1日【1面TOP】


マルクス・レーニン主義堅持
「反米反独占」も改めず

 日本共産党は6月21日に第七回中央委員会総会(七中総)を党本部で開催し、綱領改定案を発表した。同改定案はいわゆる柔軟路線を党の基本方針として明確にするためのものと一部マスコミでは宣伝されているが、現行の「宮本綱領」と本質的にはまったく変わっておらず、マルクス・レーニン主義を堅持し、天皇制破棄を柱とする「人民共和国」を目標にしている。改定案の特徴は「当面」の目標である民主連合政権を強調することで天皇制や自衛隊を「容認」したかのように国民の目を欺こうとしているところにある。共産党の本質を見誤ってはならない。

 共産党にとって「綱領」はいわば憲法で、党の路線や方針を左右するものだ。現行綱領は1961(昭和36)年に宮本顕治氏(名誉議長)が党権力を握った際に策定したところから「宮本綱領」と呼ばれ、「日本革命の展望」として「民主主義革命」と「社会主義革命」の二段階革命を通じて日本共産化を目指している。今回、その綱領を改定しようというわけ。
 その理由を七中総で幹部会を代表して改定案の提案を行った不破哲三議長は、①国民によりわかりやすい表現にするという前大会時の公約をはたすこと②1961年に綱領を採択して以後42年のあいだの情勢の進展や党の理論・政治活動の発展を反映させること、の二点を主眼としていると述べている。
 つまり改定は「国民にわかりやすく表現」することと情勢に変化に対応するために行うもので、つきつめれば共産党自身の考え方が変化したからではないということだ。ここがポイントである。「怖い共産党」のイメージを払拭しようという「厚化粧」が綱領改定の意味あいなのだ。
 では改定案は現行綱領とどう違うのだろうか。
 まず共産党の創立について。改定案は「日本共産党は、わが国の進歩と変革の伝統を受けつぎ、日本と世界の人民の解放闘争の高まりのなかで、1922年7月15日、科学的社会主義を理論的な基礎とする党として、創立された」としている。現行綱領では「日本人民のたたかいとロシア十月社会主義革命など世界人民の解放闘争のたかまりのなかで」と記されていたので、改定案はこの部分(ロシア革命)を抹消したことになる。事実の隠ぺいが不破議長のいう「国民にわかりやすい表現」なのだろう。
 共産党の二段階革命論の根拠とされるのが「二つの敵論」だが、これは堅持している。改定案は「アメリカ帝国主義は、世界の平和と安全、諸国民の主権と独立にとって最大の脅威」「日本の独占資本主義と対米従属の体制を代表する勢力から、日本国民の利益を代表する勢力の手に権力を移す」としており、表現をやわらげているものの、実質的には「二つの敵論」に立ち、したがって二段階革命論の立場は不変である。
 天皇制についてはどうか。改定案は「党は、一人の個人あるいは一つの家族が『国民の統合』の象徴となるという現制度は、民主主義および人間の平等の原則と両立するものではなく、国民主権の原則の首尾一貫した展開のためには、民主共和制の政治体制の実現をはかるべきだとの立場に立つ」と、天皇制否定の「民主共和制」(従来の「人民共和国」)堅持を表明している。
 改定案は続けて「しかし、これは憲法上の制度であり、その存廃は、将来、情勢が熟したときに国民の総意によって解決されるべきものである」としている。これをもってマスコミの中には「当面は天皇容認」としているところもあるが、これは間違った見方だ。むしろ改定案は「(憲法の)天皇条項については、『国政に関する権能を有しない』などの制限規定の完全実施を重視し、天皇の政治利用をはじめ、憲法の条項と精神からの逸脱を是正する」として、現憲法下で反天皇制の条件闘争をより一層展開することを明言しているのだ。
 日米安保条約について現行綱領は「破棄、全アメリカ軍の撤退と軍事基地の一掃のためにたたかう」という表現だったが、改定案は「破棄しアメリカ軍とその軍事基地を撤退させる。対等平等の立場にもとづく日米友好条約を結ぶ」としており、「たたかう」との表現を消し「友好条約を結ぶ」という表現でカモフラージュしただけで日米安保破棄の中身は同じだ。
 自衛隊についても、これまで「自衛隊の増強と核武装、海外派兵などの軍国主義の復活・強化に反対し、自衛隊の解散を要求する」としていたのを「安保破棄後のアジア情勢の新しい展開を踏まえつつ、国民の合意での憲法第九条の完全実施(自衛隊の解消)に向かう前進をはかる」と、反対や要求といった強い表現を避けただけにすぎず、ここでも自衛隊解散を指向する方向性に変化はない。
 こうして見ると、綱領を改定するといっても表現を改定するだけであって革命路線を改定したわけでは決してないことは明白だ。
 綱領改定案は最後に「社会主義・共産主義への前進の方向を探究することは、日本だけの問題ではない」として、資本主義諸国のみならず、アジア・中東・アフリカ・ラテンアメリカの広範な国々の人民の運動との連帯を表明し、「日本共産党は、それぞれの段階で日本社会が必要とする変革の諸課題の遂行に努力をそそぎながら、21世紀を、搾取も抑圧も知らない共同社会の建設に向かう人類史的な前進の世紀とすることをめざして、力をつくすものである」という、世界革命を目指す新たな“共産党宣言”を発しているのだ。
 これに対して五十嵐仁・法政大教授「米国への従属と日本の大企業の支配の打破を目指す立場や、最終的に社会主義変革を目指す点は、表現は変わったがほぼ現綱領が踏襲されている。民主的改革も強調されているが、全体的に基本路線における大きな変化はないという印象だ」(毎日新聞6月22日)と述べている。他党も「厚化粧しただけ」(自民党幹部)「現状を追認するだけの語句修正で本質的な考え方は変わらない」(民主党幹部)と、ばっさり切っているのは当然の評価だろう。
 共産党の本質は何ら変わっていない、と認識しておかねばならない。

コメント

タイトルとURLをコピーしました