米で同時多発テロ
米ニューヨークの世界貿易センターのツイン・タワーとワシントンの国防総省に対して11日午前(日本時間同日夜)、ハイジャックした民間航空機で突っ込むという前代未聞の卑劣な同時多発テロが慣行された。米国の経済、政治・軍事の中枢部の破壊を狙った史上希なテロ行為で、米国に対する宣戦布告なき戦争といえる。テロは断じて許してはならない。日本は米国を強く支持し、テロの悲劇が二度と起こらないように、万全の方策を構築しておかねばならない。 今回、米国で起こった同時多発テロは、犯人グループが民間航空機を4機もハイジャックし、それを米国経済すなわち資本主義経済の象徴であるニューヨークの国際貿易センターのツイン・ビルと、米国軍事すなわち世界秩序の象徴であるワシントンのペンタゴン(国防総省)に体当たりして破壊し、数千人の被害者を出すという想像を絶するテロ攻撃だった。 テロ攻撃は断じて許されない。米国へのテロ攻撃は自由と民主主義を共有する同盟国への攻撃をも意味している。日本は小泉首相が事件後の記者会見(12日)で強調したように米国を強く支持し、連携を一層強化して自由と民主主義を破壊しようとするテロに対して断固として戦うべきだ。 テロに対してどう対応すべきか。96年7月に開催されたG7(先進7カ国)とロシアによるテロ対策閣僚会議は「いかなる形態であろうと、いかなる動機であろうと、一切のテロを許さない」とのテロ撲滅宣言を発している。テロに対する最悪の対応はテロリストに妥協し、テロ行為を容認することである。だから妥協なく戦うことがテロ防止の原則だとテロ撲滅宣言は述べている。●テロリスト黒幕の正体を見極めよう 対米テロ事件の背景には「最も危険なテロリスト」と呼ばれるオサマ・ビン・ラーディンが関わっているとされる。「米国に対するジハード(聖戦)」を唱えるビンラーデンは、93年2月の世界貿易センタービルの爆破事件や98年8月のケニアとタンザニアの米国大使館同時爆破テロ事件を起こすなど、数々の対米テロを仕掛けてきた。 ラーディンは徹底した反米思想の持ち主で、世界情勢を「米国を中心とするキリスト教・ユダヤ教文明によるイスラム世界への新十字軍」と捉え、イスラム世界からの米国駆逐、米国と結託するアラブ各国政権への攻撃を「イスラム教徒の義務」と主張。サウジアラビアで建設業を起こし富豪となるも、94年にテロ関与を疑われ国籍剥奪、スーダンを経て96年からアフガニスタンを実効支配するタリバンの「賓客」として滞在、現在は数千人のアラブ人民兵に軍事訓練を施している(読売9月12日)。 イスラムでも大半の人々は穏健だ。にもかかわらずなぜ、ラーディンのような過激なイスラム原理主義者が現れるのか、その背後に共産主義思想が潜んでいることを見落としてはならない。