思想新聞2001年7月1日号

全国の役員・会員の皆様。日頃、格別のご厚情をいただき誠にありがとうございます。
さて、6月15日に国際勝共連合役員会、6月19日には世界平和連合役員会の席におきまして、私が世界平和連合・国際勝共連合の会長に推挙されました。
つきましては、前任の大塚克己氏の築いた実績を一層発展させるべく、全身全霊を投入する所存でございます。今後とも変わらぬご指導、ご厚情を賜りますようお願い申し上げます。
これまで、6年間ほど、南北アメリカ、とりわけブラジルを拠点として、環境・食糧問題などに取り組み、人間と自然のあるべき姿、それを包み込む神の摂理ともいえるものを肌で感じながら活動してまいりました。地球儀を見ればブラジルは日本の正反対の位置にあります。まさにこの間、地球の裏側から日本とアジアを見つめるという、得がたい体験を積むことができたのです。その視点から所感を一言述べたいと思います
今の日本は「変革」即「希望」とみなされるほどに閉塞感―見方を変えれば英雄待望的心情―が満ち満ちているといえましょう。小泉内閣の驚くべき高支持率と、「小泉人気」による東京都議選での自民党圧勝は、その証左といえます。それをポピュリズム(大衆迎合主義)への傾斜であると懸念する声もありますが、現状打破が国民の声、天の声であることは確かなのです。問題は何を基準に「変革」を実行するかでしょう。
6月下旬、政府より日本経済の構造改革方針として7項目からなる「骨太の基本方針」が打ち出されました。公共投資削減、医療制度改革、地方交付税見直し、特殊法人改革、セーフティーネットの確立、国債発行額抑制、不良債権処理の施策などが挙げられています。要するにより安全で豊かになるための方策でありましょう。
どれも必要なことです。しかし歴史の要請はもっと根本的見直しにあると思います。特に地球規模の環境・食糧問題に真正面から取り組む中で、その思いは確信となりました。すなわち「人間が幸福に生きるとはどういうことなのか」「家庭を基礎としたコミュニティーの在り方」「人間と自然のあるべき関係とは」などの再検討なくして、日本のみならず人類の未来はないと思うのです。
打ち出された方針が「骨太」であるという根拠は、1960年代の高度経済成長期から40年になろうとする利害調整型政治の枠組み、既得権益化した政・財・官の鉄の三角形構造の打破を根幹としていることにあると思われます。しかし、「骨太」というからには、もっと先を見据えた理念・哲学の明示が必要でしょう。
最近、帰国するたびに「日本は小さくなってしまった」と痛感していました。しかし、「失われた十年」といわれながらも、現在の経済力は依然、世界第2位の大国です。問題は、それに見合うだけの大きな理念・哲学が見えないことです。普遍的理念・哲学が欠如しているのです。普遍性を土台にしてのみ国や人の個性は開花する。それが正しいアイデンティティーの確立であると確信します。改革論議の深まりを期待するものです。


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